本研究の目的は、WHOが提唱するEarly Essential Newborn Care(早期必須新生児ケア:以下EENC)をタンザニア共和国の研究対象施設の特性に合わせて修正したタンザニア版EENCの実用化の可能性について検証することである。 最終年度である2022年度は、①研究対象者へのEENCセミナーの教育効果を明らかにすること、及び②現場でのEENC普及を目指すOJTの効果を明らかにすることを目標に調査を実施した。 目標①については、セミナーを開催し、参加した看護職を対象にセミナー前後の知識テストと技術到達度の観察を行った(2022年9月、研究協力者により現地実施、研究代表者はリモート参加)。目標②については、セミナー参加者を中心とするOJTチーム2名へのインタビューを実施した(2023年2月、研究代表者により現地実施)。 研究期間全体を通し、2020年度から2021年度にかけては全世界の新型コロナウイルス感染パンデミックの影響を受けて予定に沿った調査実施が困難な状況にあり、最終年度の2022年度が主たる実績となる。上記2022年度の調査をもとに、今後は結果を分析することにより、セミナーの教育効果を明らかにすること、OJTによる教育活動に対する意欲、認識、ニーズを明らかにすることで、タンザニア版EENCの展開方法の評価と実用化の検証を予定する。研究期間終了後となるが、研究論文の公表を目指している。
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