研究課題/領域番号 |
20K19151
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
近澤 幸 大阪医科薬科大学, 看護学部, 講師 (90826306)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 乳児期 / 沐浴 / 入浴 / 危険 / 教材 |
研究実績の概要 |
本研究は、乳児期に沐浴・入浴を実施する家族の危険な体験をもとに家庭向けの教材を作成し、家庭で起こる危険を防ぐことを目的とする。わが国では、乳児の沐浴・入浴を実施する上で危険につながる多くの要因がある。本研究では、乳児期の沐浴・入浴を実施する家族の危険な体験を分析する。その上で、母親と家族の危険な体験を踏まえた、「家庭での乳児の安全な沐浴・入浴のデジタルコンテンツ教材」を作成、評価・検証する。 当該年度では、前年度に実施した実態調査の分析を行った。その結果、3~4か月の児をもつ母親と家族では、沐浴では60.0%、入浴では64.9%が危険を体験したことがあった。体験した危険の内容は、沐浴では、「湯の中に落としそうになった」「顔が湯につかりかけた」「せっけんの泡が口に入りかけた」、入浴では、「せっけんの泡が口に入りかけた」「顔が湯につかりかけた」「床に落としそうになった」の順で多かった。また、起こりうる危険の内容や予防について指導を受けていなかった母親と家族は、沐浴では55.9%、入浴では81.8%であった。1歳6か月の児をもつ母親と家族では、母親と家族の71.1%が危険を体験したことがあった。体験した危険の内容は、「顔が湯につかりかけた」「顔が湯につかった」「湯の中に落ちた」の順で多かった。母親と家族の70.7%が危険の内容や予防について指導を受けていなかった。 さらに、文献研究および実態調査の結果から要素を抽出し、沐浴や入浴の手順の中に、危険な場面と予防、工夫点などを組み込んだ、動画と音声、文字を用いたデジタルコンテンツの教材を作成した。そして、教材について、専門職による適切性の検討を行った。対象者に教材と無記名自記式質問紙を配布し、教材の視聴と質問紙の記入を依頼した。対象者は、アドバンス助産師と助産師会に属する助産師、保健師、計20人とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度において、本研究の第2段階として、実態調査から沐浴・入浴指導のポイントとなる要素を抽出し、教材を作成することを計画していた。教材を作成し、専門職による教材の評価を行うことができた。また、第1段階である実態調査の結果を論文化し、投稿することができた。以上より、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、専門職による評価の結果を論文投稿や学会発表によって公表する予定である。また、専門職による評価をもとに教材を修正する。さらに、修正した教材について、機縁法で依頼した母親に視聴を依頼し、適切性を検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
情報収集のために国内外の学会への参加を予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で、学会が中止、またはオンラインでの開催となったため、旅費での使用がなかった。 次年度は、結果公表にかかる費用、および教材のデジタルコンテンツを修正するための費用、母親を対象とした、修正した教材の適切性の検討のための質問紙や対象者への謝金などに使用する予定である。
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