研究課題/領域番号 |
20K19157
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研究機関 | 福岡看護大学 |
研究代表者 |
山崎 啓子 福岡看護大学, 看護学部, 講師 (40803961)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 成人先天性心疾患患者 / リプロダクティブ・ヘルス / 患者の認識 |
研究実績の概要 |
本研究では、成人を迎えたCHD患者の妊娠出産/親になることへの認識やその経験を通して起こった身体的/精神的変化を明らかにし、妊娠出産/親になるために必要な能力を身につけるための支援の検討を目的としている。研究は3段階で構成されており、これらの結果から妊娠出産/親になるために必要な社会的支援/精神的支援を検討していく予定である。 研究1として「妊娠出産/子育てに関する現状の把握」のために国内外の文献検討を行った。 研究2では「成人を迎えたCHD患者の妊娠出産/親になることへの認識の把握」のために、成人を迎えたCHD診療専門医療施設にて定期的または不定期的に外来受診を行っている18歳以上のCHD患者へアンケート調査を行う予定であったが、COVID-19の影響で医療機関での調査が困難であったため、文献検討結果と以前他の研究者と共同で実施した「成人CHD女性の結婚・妊娠・出産への思いについて」のアンケート結果の一部を使用して『成人先天性心疾患女性のリプロダクティブ・ヘルス向上に向けた妊娠出産に関する予備調査』としてまとめ、学会誌への投稿を行い、論文化しており、英文での投稿も検討している。本論文では、成人CHD女性の妊娠出産への思いだけでなく、セルフマネジメントに必要な知識の程度も一部垣間見ることができた。本論文のEditrial commentにもあったように、妊娠出産/親になるために必要な能力を身に着けるためには、「いつ」「どこで」「誰が実施する」などを今後の研究の中で明確にしていきたいと考えている。 研究3では、妊娠出産/親になった経験のある成人CHD患者のインタビューを予定している。そのため、現在、患者会などとの活動を通して、インタビュー可能な患者の選定を進めていっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19の影響もあり、調査対象者である患者の受診方法・受診間隔の変更が続いていることに加えて、令和3年度は、研究代表者の異動に伴う業務多忙により、調査協力施設との調査方法に関する協議を十分に行うことができず、遅れを生じている。令和5年度も研究代表者の職場異動に伴う業務多忙が予想されるが、研究施設や調査対象者との調整は少しずつ進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
研究3のインタビューを先行して行う予定で、現在患者会などを通して、妊娠出産/親になった経験のある成人CHD患者への研究依頼を進めている。 今回まとめた論文や、インタビュー結果から、成人CHD男性のアンケート調査について検討していきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響にて、web開催の学会が多く、また医療施設での調査が実施できなかったことから、旅費や人件費が使用されないままであった。今後は、アンケート調査やインタビュー調査の際に使用する通信機器の購入、安全に調査が実施できるように感染対策に関する物品の購入などに使用したいと考えている。
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