本研究の目的は、申請者が千葉大学大学院博士論文研究を通じて考案した「幼児期に先天性心疾患手術を受ける患児の主体的なレディネス発達を促進する看護援助(以下、看護援助)」の有効性および有用性を評価し、看護支援プログラムとしての開発を目指すものであった。本研究は、【研究1-1:介入研究に繋がる文献検討】【研究1-2:看護援助の有効性の評価】【研究1-3:看護援助の有用性の評価】【研究2:看護支援プログラムの開発】の4段階より構成する。 本年度は、前年度までに実施した【研究1-2】および【研究1-3】の評価に基づき、Instructional System Design (ISD)の手法を用いて、看護援助の総括的評価と洗練を行った。【研究1-2】において、看護援助を受けた患児の『病気や治療に対する思いと反応』、親の『患児への説明に関わる思い』には、看護援助の前後で肯定的な変化が表れ、【研究1-3】において、看護援助を実施した看護師による評価では《対象選定に関連する難しさ》《援助時期に関連する難しさ》《幼児期の発達段階や特性に関する限界》等が指摘された。【研究3】においては、看護援助の対象の拡大、介入時期の拡大に加え、患児の発達段階や特性に応じた柔軟性の許容、多職種連携の促進の必要性が導かれ、それらより支援ガイドと支援ツール(学習絵本)の修正を行い、看護支援プログラムとして開発した。 本研究の成果の一部を、第59回日本小児循環器学会総会・学術集会 および The 8th World Congress of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery にて公表した。
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