本研究では、AYA世代(15-39歳)の女性がんサバイバーが、がん治療によって影響を受ける妊孕性(妊娠のしやすさ)に向き合うことを目的としたプログラム開発のために、基盤理論を探索し、内容を検討した。基盤理論は、行動変容を準備段階でステージ分けをするトランスセオディカルモデル(以下TTM)を採用した。TTMに基づき、妊孕性への影響を知識の取得によって意識付けを行い、心理療法による自己の振り返りを行うことで、妊孕性への向き合いを促す可能性があるプログラムを検討できた。同時に、当事者と専門職者会議によって、プログラムの実行に向けて、実存的苦痛からくる防衛が課題となることが明らかになった。
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