研究課題/領域番号 |
20K19171
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大滝 千文 神戸大学, 保健学研究科, 研究員 (50454476)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 看護師の行動計測 / 助産師の行動計測 |
研究実績の概要 |
本研究は、産科混合病棟の産科以外の患者の看護を可視化し、分娩などの「産科患者」による「産科以外の患者」の影響(看護内容や看護時間の変化)を明らかにし、産科混合病棟の看護人員配置検討のための基礎的データを導き出すことを目的としている。 当初の計画では、2020年度は「産科混合病棟」で看護師と助産師の行動を計測をし、産科混合病棟で実施されている看護を明らかにする予定であった。しかし、COVID-19流行のため、病棟内立ち入り制限のため、病院内での計測を実施することができなかった。2021年度の予定は、2020年度と同様に病院の病棟(外科系病棟と内科系病棟)で、看護師の行動を計測する計画である。今後のCOVID-19流行の状況をみて、昨年度に計測することができなかった病棟を含めた3つの病棟で看護師と助産師の看護を計測する予定である。 2020年度の成果は、本研究に助言いただく複数の専門領域の研究者とともに、オンラインシステムを用いて意見交換会・勉強会を9回実施した。特に、複数名の工学研究者から工学システムを利用した看護師の行動計測方法について助言をいただいた。病棟内で勤務する看護師・助産師の行動計測には、いくつもの制約がある。制約がある中で、どのような機器を使用して看護師の行動計測をすれば効果的な情報を得られるのか意見をいただいた。情報通信機器を用いた看護師・助産師の行動計測により、病棟に勤務する全ての看護師の滞在場所と滞在時間を同時に計測できるという本研究の特徴を活かしてデータ計測をしていきたい。 2021年度は、COVID-19の状況をみながら病棟での計測が実施できるよう準備を進めていく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年からのCOVID-19流行のため、病院内での研究(調査)が実施できなかった。本研究は、病院内の病棟に勤務する看護師と助産師を対象とした研究であり、病棟内での計測が必要である。しかし、病院では厳しい面会制限や病棟への立ち入りが制限されているため、研究協力の内諾を得ていた病院と研究計画を進めることができなかった。 今後の感染状況により、病棟での看護師・助産師の行動計測が可能となると考えるが、計測時期は未定である。 COVID-19の流行状況に応じて、研究協力病院の協力者(看護部長、看護師長)と、研究計画について相談していく必要がある。
|
今後の研究の推進方策 |
2020年より流行しているCOVID-19の状況をみながら、協力病院と調整をおこなっていく必要がある。病棟内の面会制限や立ち入り制限が緩和された場合、病院協力者(看護部長、看護師長)と病棟での看護師の行動計測にむけて具体的な日程調整を行っていく。 研究協力病院の負担にならないよう、社会的な状況も考慮して研究を推進していく。 看護師・助産師の行動計測の計画は、機器を用いた計測と、ヒトが計測する方法(1対1タイムスタディ法)を予定している。ヒトが計測する方法は、看護師が何をしているのかという質的な内容を計測できる利点がある。しかし、COVID-19流行の状況により、研究者が看護師(助産師)に1対1でついて計測できる時期は予測できない。そのため、協力病院との調整によるが、許可された計測方法から実施していくことも必要であると考える。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2020年度はCOVID-19流行のため、病院内で看護師・助産師の行動計測が実施できなかった。そのため、本研究の主な計測方法である情報通信機器を用いた計測を実施するために購入予定であったスマートフォンとビーコンを購入しなかったため、次年度使用額が生じた。COVID-19の状況により病院内での研究を開始する予定であるが、社会的な状況をみながら計測に必要な機器を購入する予定である。また、病院内での計測が出来なかったため、調査施設への交通費が生じず、さらに学会参加の予定がオンライン学会での参加となったため、予定していた交通費が発生せず、次年度使用額が生じた。
|