研究課題/領域番号 |
20K19175
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研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
笠井 久美 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (10795339)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 二分脊椎症 / 性教育 / 現状 / ニーズ |
研究実績の概要 |
本研究では、二分脊椎者の特徴を踏まえた性教育プログラムを開発を目指している。その一環として、二分脊椎者の性教育の現状とニーズを把握することを目的に調査を行った。対象は、18歳~40歳未満の二分脊椎者であった。研究協力者の募集にあたって、患者会、小児専門病院、日本小児総合医療施設協議会会員施設、障がい者スポーツ団体に研究協力者募集の協力を依頼し、同意が得られた機関に可能な範囲での協力をいただいた。調査内容は基本情報、これまでに受けた性教育、役立った性教育、役立つと思う性教育についてであった。アンケートは54名の回答を得て、有効回答者数は47名であった。インタビューについては、対面、電話、ZOOMのいずれかでインタビューガイドを用いた半構造化面接を実施し、同意を得て録音をした。分析対象は14名であった。アンケートおよびインタビューは2021年3月でデータ収集を終えた。 現在、アンケートについては、Excel 2016およびSPSS statistics 26を使用し、単純集計をしている。インタビューについては、逐語録を作成し、性教育の経験とニーズに関する文章を抽出し、類似した文章を集約し、カテゴリーを作成している。現時点で、特に交際・恋愛、性的反応・性行為、妊娠・出産に関するニーズが抽出されている。今後、さらに分析を行い、現状とニーズを明確にしていく。また、本研究に関する国内外の文献検討を継続して行う。これらにより、二分脊椎者に有益な性教育の枠組みを見出していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の流行および本研究テーマがデリケートな領域を扱う内容であることから、予定よりも研究協力者の募集に時間を要した。新型コロナウィルス感染症の流行を考慮し、電話やオンラインでのインタビューができるように配慮した。また、本テーマに関するアンケートを併用した。予定よりも少ない人数となったが、協力者を得ることができた。現在、アンケートおよびインタビューデータを分析中である。
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今後の研究の推進方策 |
アンケートおよびインタビューデータから、ニーズの高い教育内容を特定する。そして、先行研究の知見を踏まえて教育プログラムの構成を検討する。このプログラムの一部を実施し、評価していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の流行により、学会がWeb開催になったり、対面以外の調査方法も採用することになったため、予定よりも交通費が発生せず、次年度使用額が生じた。今後も新型コロナウィルス感染症の流行を考慮する必要があるため、通信機器の充実やオンラインによる教育ツールの作成に経費を使用していく。
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