研究課題/領域番号 |
20K19179
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
三加 るり子 富山県立大学, 看護学部, 助教 (50846152)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 40歳以上高年初産婦 / 産後ケア / 産後2週間健診 / 助産師 |
研究実績の概要 |
第1子を出産した母親のうち40歳以上で高年出産した者は4.6%を占め増加傾向にあり(厚生労働省,2017)、助産師には母子を中心とした個別的支援が求められている。子育て支援対策として産後うつ予防を図る観点から平成29年度より産婦健康診査事業が新たに開始し、母親は産後2週間での医療者支援を受けやすくなった。その中でも、近年増加している40歳以上の高年初産婦は産後に心身ともに疲弊しやすく家族の支援も得にくい状況にあり、この年代の母親への支援は重要課題といえる。しかし、産後2週間健診の事業内容指針(日本産婦人科医会,2017)は、産婦一般が対象であり、年齢や疾患等の理由で個別的な支援を必要とする母親へのガイドライン等はなく、医療者個人の力量に委ねられているのが現状である。 本研究目的である40歳以上の高年初産婦に特化した助産師による産後2週間健診支援プログラムの開発にあたり、まずは40歳以上の高年初産婦が産後2週間頃にどのような支援を求めているのかを把握することが大切であると考えた。しかし、母親本人は産後の辛い時期を回想することを拒んだり現状に精一杯で本心を吐露できる余裕がなかったりするため、母親たちへの直接的な調査は難しいと判断した。そこで、産後2週間健診を担当する医療施設の助産師だけでなく、母親たちが退院後すぐに家庭に戻ることが不安な場合や何らかの援助を受けたい場合に利用している産後ケア施設の助産師に対して調査を計画した。A県内の産後ケア施設に勤務する助産師を対象に研究への協力依頼を行った結果、40歳以上の高年初産婦に対し産後ケア支援を行った経験のある助産師10名から研究協力の同意を得た。半構成的面接を行い、40歳以上の高年初産婦21事例の産後ケア施設を利用するニーズやそれに対する助産師の支援内容、助産師が捉えた対象者像、支援に際しての助産師の在り様が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度のデータ分析結果を基に、現在論文執筆中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後、学会誌へ投稿し、本研究結果を論文として公開する。さらに、先行研究も踏まえて産後2週間健診支援プログラムの開発に繋げる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文内容を推敲するため執筆に時間を要しており、投稿が予定より遅れているため。 また、次年度は論文執筆のための情報収集、投稿料、プログラム開発に要する物品費や謝礼分として、予算を使用したいと計画している。
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