2020~2023年度、研究課題「Virtual Reality(VR)技術を応用した育児技術プログラムの開発と評価」に取り組む。 Virtual Reality(VR)技術の発展は目覚ましく、私たちの日常生活に取り入れやすくなっている。看護基礎教育においてもVR技術を応用した教育方法が検討されている。母性看護学実習では、少子少産の背景から、実際に新生児の育児技術を体験する機会が減少しており、より現実に近い状況での教育方法が求められている。そこで、今回は育児技術の習得をめざした、VR技術を応用した育児技術プログラム(学生版)を開発する。また、このプログラムを改良し、初めて子どもをもつ父母の育児技術の習得に貢献するために、育児技術プログラム(両親版)を開発する。最終的に、VR技術を応用した育児技術プログラムの学生版、両親版の有用性を検証した。2020年度~2021年度は、VR技術を応用した育児技術プログラム(学生版)を作成し、2021年度~2022年度は対象(看護学生)にVR技術を応用した育児技術プログラム(学生版)を視聴した効果を検証した。学生はVRへの関心も高く、また感染症拡大の時期と重なったことから、実際の育児技術を疑似体験することにもつながり、視聴前後で学習効果は高めることができた。しかし、助産院での対象の確保が難しく、2023年度はVR技術を応用した育児技術プログラム(両親版)を作成し、さらに視聴しやすくするために、業者に修正を依頼した。オンラインのアンケート調査で妊婦を対象にデータを収集した。視聴前後での比較はできなかったが、VR教材の関心は高く、今後導入に向けたさらなる研究が必要であると考える。
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