研究課題/領域番号 |
20K19185
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 由香 岩手医科大学, 看護学部, 助手 (60848034)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | レジリエンス / 小児がん / 学童期 / 思春期 |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染症の流行を受け、研究協力依頼機関の所在地における感染流行状況、研究協力依頼機関内での感染予防対策の実施状況および小児がん患者や小児がん経験者への生活状況の聴き取り内容を鑑み、小児がん患者を対象とすることの影響や安全性を熟慮し、当初計画していた面接調査の実施を見送った。 この間、本研究の関連領域および近接領域における文献検討を行った。小児がんに関わらず、国内外におけるResilience Programや、精神的健康に係るプログラム等の先行研究から、精神的健康の増進のための支援方略の在り方について検討を進めた。また、小児がん患者にとって重要なI HAVE factorとなり得る家族の精神的健康やレジリエンスに関する先行研究から、本研究の参加者が既に被っていることが予測される影響要因について検討、把握し、広く知見を深めた。他に、関連学会等への参加、研究協力依頼機関側との調査に係る相談を進め、面接調査を安全かつ速やかに開始できるよう手立てを見出す等の状況の整備を行ってきた。その中では、オンラインでの調査の実行可能性と起こり得る影響、必要とされる配慮についても併せて検討し、調査の一手立てとして視野に入れている。しかし、非対面下での面接調査においては、万一の心身の不調が発現した場合の対策を十分に整える必要がある。例えば、オンライン面接調査後、少なくとも数日以内に定期受診日が組まれていて、心身の不調の有無を確実に観察できるなど、一定の条件に適う場合のみに適用すべきと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症(以下COVID-19)の流行に伴い、次の理由により当初の計画よりもやや遅れている。 1.以前取り組んだ、本研究の土台となる研究成果を国際学会において発表し、さらに知見を深めてから本研究に取り組む予定であったが、COVID-19の影響で学会が1年延期となったため。 2.本研究の参加者となる小児がん患児は、特にも免疫状態に留意の必要な疾患の方々であり、COVID-19の影響下での調査が難しいものと考えたため。 3.業務上の理由として、COVID-19の影響で演習や実習の代替案の思考、実施が必要となり、これにかける十分な時間が必要であったため。
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今後の研究の推進方策 |
現在、研究参加者となる小児がん患児が比較的多く受診する夏休みの時期の調査開始に向けた準備を整えている段階である。今後は研究機関および調査依頼機関の規定に従って、十分な感染予防対策を講じた上で調査を進める。 当初の計画よりも遅れた分として、研究参加者数を増やすことで妥当性を高められるものか、研究期間の延長を要するものかを慎重に検討している。また、オンラインでの調査も視野に調査に係る準備を進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度に計画していた面接調査を、「研究実績の概要」に示した理由により見送った。そのため、謝金や書類等の郵送に係る費用が未使用となった。 今後、研究参加者への謝金、研究成果の報告に係る印刷費・学会参加費として使用する。また、オンラインでの調査を導入した場合に係る物品等に使用する予定である。
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