研究実績の概要 |
足部は、身体のなかで唯一地面と接している部位であり、足部の状況は我々の動作や姿勢など多方面へ影響を及ぼす。子どもに生じている運動機能不全の原因として、運動の起点である足部自体の異常が関与している可能性が考えられる。そこで本研究は、①運動・生活習慣・発育状況と足部異常の関連の検証,②継続調査による足部異常の要因の検証ならびに生活指導介入による効果検証、以上2点を目的とし、子どもの健やかな成長を促すための基礎研究として実施を計画した。 今年度は、事前研究として収集していた小学1年生から6年生451名の足部データを解析し、横断的な足部状況について学会報告を行った。足部の形態異常に関しては、各学年ともに浮き趾が約6割に認められた。外反母趾は、小学1年生では認められず、小学2年生から発生が認められた。具体的な数値としては、小学1年生0%,小学2年生3.8%,小学3年生10.7%,小学4年生8.3%,小学5年生6.7%,小学6年生13.3%であった。各学年別、性別での足幅、足長、足長に対する足幅の割合等を比較した結果、男女で足部の細長化の時期が異なる可能性が考えられ、今後縦断的に足部発育状況を確認する意義が高まった。
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