本研究では、緊急入院高齢患者の入退院支援を担う外来看護師、病棟看護師、訪問看護師を対象に、それぞれの家族支援への役割認識を明らかにすることによって、家族支援ガイドラインを開発することを目的としている。 今年度は、外来看護師を対象にしたインタビュー調査の結果に基づいて引き続き分析を行った。緊急入院高齢患者の入退院支援における外来看護師の家族支援では、【在宅療養生活の視点に立った支援】、【家族との関わりを重視した支援】、【看護職連携による情報共有】、【家族支援の困難さ】の4つのカテゴリーが抽出された。病棟看護師、訪問看護師、外来看護師の家族支援では、それぞれの専門性を発揮した特徴がみられるとともに、主に情報共有というかたちで看護職協働が行われていたことが示された。また、同一職種であるからこそ連携の強みになるとともに、認識の違いや情報共有不足が入退院支援の課題につながることも明らかとなった。病棟看護師、訪問看護師、外来看護師の家族支援について、これまでの研究結果をふまえ、項目を抽出し、緊急入院高齢患者の入退院支援における家族支援ガイドライン(案)の作成を行った。 今年度の成果は、国内学会にて発表を行った。また本研究の成果として、病棟看護師、訪問看護師、外来看護師が実践および認識している家族支援について、論文としてまとめ投稿する予定である。
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