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2020 年度 実施状況報告書

多施設共同コホートを用いた睡眠状況と生活習慣病との関連の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K19203
研究機関東京大学

研究代表者

高橋 真美  東京大学, 医学部附属病院, 看護師 (90865891)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード睡眠時間 / 肥満 / 生活習慣病 / 背景因子
研究実績の概要

本研究の目的は、多施設共同コホートを用い、睡眠の現況を調査し、睡眠と生活習慣病との関連を横断的・縦断的な統計手法により解明することである。事前解析として施設ごとにデータの傾向を確認した。
【統計解析】単変量解析:まず検診で一般的な検査値について睡眠時間で候補を絞ったところ、中でも肥満症(BMI≧25kg/㎡)との関連が考えられたため、次に肥満症を目的変数とする睡眠を含めた説明変数を解析した。多変量解析:複数の変数の影響を考慮した解析として多重ロジスティック回帰分析(横断)を、さらに時間的要素を加えた解析として比例ハザード分析(縦断)により因果関係を推論した。
【対象集団】
予防医学センター[横断研究]2012年10月~2020年4月17日までの期間に人間ドックを受けた全受診者6,520名のうち、各種検査値(BMI、SBP、DBP、FPG、HbA1c、LDL-C、HDL-C、TG、UA)や生活習慣(睡眠時間・喫煙・飲酒・運動)に関する質問項目に欠損のある者を除いた5,220名を解析対象とした。[縦断研究]2012年10月~2014年までの登録期間に人間ドックを受けた全受診者3,560名のうち、2015~2019年の追跡期間にリピートした819名のデータを用いた。ベースライン時点で既に肥満のある者を除いた614名(肥満発症71名)を多変量解析の解析対象とし、登録期間以降、毎年の受診時点でBMIを確認した。
亀田幕張[横断研究]2010~2020年までの期間に人間ドックを受けた全受診者60,636名のうち、欠損値のある者を除いた49,538名を解析対象とした。[縦断研究]2010~2014年までの期間に人間ドックを受けた全受診者41,332名のうち、2015~2020年にリピートした7,176名の中で、既に肥満のある者を除いた5,486名(肥満発症604名)を多変量解析の解析対象とした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度では、物理的研究環境の整備としてワークステーションの立ち上げ、先行研究から論点と課題を明確化し、説明変数の決定、等、本解析前の分析枠組みの構築を中心に行い、現在、その最終段階にある。
しかしながら、COVID-19の影響により、院内での研究活動を必ずしも推奨していない時期があり、データの入力作業の遅れや統計結果の解釈を共同研究者と議論する場の設定が難しかったのも事実である。その対策として、オンラインシステムを使用した会議に切り替え、本解析用データベースの作成には補助者を雇用し、保健指導の導入へ向けた環境の調整も進み、進捗状況に問題はない。

今後の研究の推進方策

本解析用データベースの作成と並行して、統計解析デザインを共同研究者との議論で確定し、実施する。後ろ向き研究部分についての結果の公表に向けた準備、睡眠保健指導と前向き研究開始への調整を行う。
【2021年4月~5月】睡眠時間と肥満症との関連に関する事前解析結果について、東京大学医学部附属病院予防医学センターと亀田総合病院附属幕張クリニック、それぞれの事前解析結果を比較し、データの合算が可能か、追加解析の必要性、等を検討する。
【2021年6月~7月】本解析を実施し、議論・修正する。
【2021年8月~12月】論文を作成し、後ろ向き研究結果の公表をする。
【2022年1月~2月】睡眠保健指導・前向き研究の計画書を作成し、準備(リーフレットの作成やロールプレイ、シミュレーション)を進め、開始する。
【2022年3月~】睡眠時間と高血圧、糖尿病、脂質異常症との関連の解析へ着手する。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19感染拡大の影響によりデータベース作成の遅れがあったものの、入力や資料整理のための補助者を雇用し、計画を修正して研究を進めている。

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公開日: 2021-12-27  

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