研究実績の概要 |
本研究の目的は、多施設共同コホートを用い、睡眠の現況を調査し、睡眠と生活習慣病との関連を横断的・縦断的な統計手法により解明することである。事前解析として施設ごとにデータの傾向を確認した。 【統計解析】単変量解析:まず検診で一般的な検査値について睡眠時間で候補を絞ったところ、中でも肥満症(BMI≧25kg/㎡)との関連が考えられたため、次に肥満症を目的変数とする睡眠を含めた説明変数を解析した。多変量解析:複数の変数の影響を考慮した解析として多重ロジスティック回帰分析(横断)を、さらに時間的要素を加えた解析として比例ハザード分析(縦断)により因果関係を推論した。 【対象集団】 予防医学センター[横断研究]2012年10月~2020年4月17日までの期間に人間ドックを受けた全受診者6,520名のうち、各種検査値(BMI、SBP、DBP、FPG、HbA1c、LDL-C、HDL-C、TG、UA)や生活習慣(睡眠時間・喫煙・飲酒・運動)に関する質問項目に欠損のある者を除いた5,220名を解析対象とした。[縦断研究]2012年10月~2014年までの登録期間に人間ドックを受けた全受診者3,560名のうち、2015~2019年の追跡期間にリピートした819名のデータを用いた。ベースライン時点で既に肥満のある者を除いた614名(肥満発症71名)を多変量解析の解析対象とし、登録期間以降、毎年の受診時点でBMIを確認した。 亀田幕張[横断研究]2010~2020年までの期間に人間ドックを受けた全受診者60,636名のうち、欠損値のある者を除いた49,538名を解析対象とした。[縦断研究]2010~2014年までの期間に人間ドックを受けた全受診者41,332名のうち、2015~2020年にリピートした7,176名の中で、既に肥満のある者を除いた5,486名(肥満発症604名)を多変量解析の解析対象とした。
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