研究課題/領域番号 |
20K19210
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研究機関 | 公立小松大学 |
研究代表者 |
上田 映美 公立小松大学, 保健医療学部, 助教 (40826559)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 下腿浮腫 / 足背 / 血流 / 静脈還流 |
研究実績の概要 |
【健康成人における足背部の圧迫圧の基礎的調査】 研究目的は、健康成人における足背部浮腫に最適な圧迫圧を決定することとした。研究デザインは準実験研究で、対象者は下腿に浮腫を有する健康成人とした。研究方法は、対照群は圧迫を実施しないこと、介入群は、弱圧、中圧、強圧の圧力を足背部に与えることである。介入群は、足背部から膝窩直下まで圧迫を実施し、足首の圧力は14-21㎜Hgに固定し、足背部の圧力のみを変化させる。アウトカムは、足背部の皮膚血流量(レーザードップラー血流計)、大伏在静脈の血流速度、血管径(超音波診断装置)とした。研究実績は、研究を実施する根拠となる研究の論文執筆を英文で実施した。また、実験を行うにあたり、研究計画書を作成し、大学の倫理審査を受け、承認を得た。アウトカムを測定するための皮膚血流計を購入し、測定部位やプロトコル作成のためのプレテストを実施した。皮膚血流量を安定して測定するための測定部位、測定時間の検討を行い、中足静脈上で静脈が目視できる位置にプローブを貼付し、5分安静ののち、10分間測定を行うこととした。 【座位によって発生した足背部浮腫を軽減する室内靴の開発】 室内靴を作成する企業を探すために、企業データを蓄積している会社と打ち合わせを行い、今後の進め方について助言を得た。まずは、実際に足背部浮腫をケアしている老人介護施設のスタッフにそのニーズを調査し、企業側に重要性を理解してもらうことが重要であるとの助言を得たため、老人介護施設のリストアップを行った。北陸3県のデータを877件のデータを取得し、そのうち従業員が0人である施設を除外した。また、老人福祉事業のみに絞り計458件を対象施設に決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
足背部の血流を測定するための機器の選定やその機器を使用するためのプロトコル作成に時間がかかり、本実験を実施することが遅れている。しかし、令和4年度には、本実験とその後の室内靴開発を同時進行で進めていく予定なので、当初の計画通りに進んでいくと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
【健康成人における足背部の圧迫圧の基礎的調査】対象者として、実習施設となっている病院の看護師に依頼することで、対象数を確保する予定である。また、月1回浮腫の専門家にコンサルテーションを行う予定である。 【室内靴の開発】老人介護施設へのニーズ調査を外部委託することにより、研究を推進する予定である。
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