研究課題/領域番号 |
20K19215
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研究機関 | 島根県立大学 |
研究代表者 |
佐藤 美紀子 島根県立大学, 看護栄養学部, 講師 (20457188)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 脳卒中 / セルフマネジメント / 脳卒中後疲労 / 脳卒中後疲労セルフマネジメントプログラム / 実現可能性試験 |
研究実績の概要 |
脳卒中後の療養生活における主要な課題の一つに「脳卒中後疲労(Post-Stroke Fatigue)」がある。脳卒中後疲労の保有率は高く、持続性疲労は、心身の機能低下、QOLの低下、死亡リスクの増大といった重篤な結果を招く。したがって、脳卒中後疲労に焦点を当てたセルフマネジメントプログラムの開発および、実現可能性試験を実施した。 「プログラム開発」のフェーズでは、国内外の脳卒中後疲労に関する文献レビュー、概念分析を実施した。これらの結果に基づき、プログラムの構成要素を明確にし、「脳卒中後疲労セルフマネジメントプログラム」を開発した。開発したプログラムは、専門家コンサルテーション、フィールドワークにより、臨床現場で安全に実現可能であると評価を得た。 「実現可能性試験」のフェーズでは、プログラムの実現可能性を明らかにすることを目的として、入院中の脳卒中患者14名を対象とした小さなサンプルサイズでの無作為化比較試験を実施した。この結果、研究対象者のリクルート、無作為化、プログラム提供、データ収集、分析の全ての研究プロセスは、計画書に基づいて実現可能であることが明らかになった。また、プログラムは研究対象者に受け入れられること、有害事象の出現はななく、プログラムは臨床現場で安全に実現可能であることが明らかになった。一方で、改善すべき課題も明確になった。この課題を解決するための追加調査を実施し、プログラムの改訂を行った。 「実現可能性試験」のフェーズでは、介入効果を検証するための十分なサンプルサイズを設計していないため、介入効果は明らかになっていない。次年度、改定後のプログラムを用いて、介入効果の検証を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通りに、今年度は「プログラム開発」「実現可能性試験」のフェーズにおける研究計画を実行することができた。
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今後の研究の推進方策 |
実現可能性試験の結果、セルフマネジメント介入は大きな効果量が期待できず、効果を「検証」するために十分な検出力を備えたサンプルサイズを設計すると大規模調査となることが予測された。費用対効果を考慮すると、このような大規模調査を行う前段階として、介入効果の「検討」を行う必要がある。大規模な無作為化比較試験を実施する前に、準実験研究デザイン(一群プレテスト-ポストテストデザイン)を用いて、介入効果の「検討」を行う必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大により、学会開催方法が現地開催からオンライン開催に変更になり、旅費が削減されたため。
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