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2020 年度 実施状況報告書

通いの場を活用した高齢者の保健事業と介護予防をつなぐ支援体制についての検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K19225
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

吉澤 裕世  東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (70758721)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードフレイル / 保健事業 / 介護予防事業 / 地域包括システム
研究実績の概要

フレイルチェック参加者における前向きコホート研究から得られた結果を解析し作成された基準値(赤信号8個以上が行政管理のもと、包括支援センター等にトリアージするハイリスク集団)をもとに、モデル自治体にてフレイルチェック後のアウトリーチ支援を実施した。フレイルチェックでのハイリスク者は、保健師等の地域包括支援センターの専門職から説明を受け、地域リハビリテーション活動支援事業等の専門職、歯科医や歯科衛生士等の歯科専門職、栄養士等へつなぎ、日常生活への支援を行った。介入後、支援に関わった専門職のインタビューを実施し、体制への課題について検討を行った。
インタビューの結果、「最終的なゴール設定がわからない」「ゴールの具体性に欠ける」ことから、「属人的な支援」になり実際に展開される事業内容にギャップが生じていたことが明らかとなった。また、支援を拒否した参加者は、実際に展開された事業内容と参加者への説明を含めたコミュニケーションのギャップを感じていたことが明らかとなった。
通いの場におけるフレイルリスクの高い参加者を必要な支援にアウトリーチするための体制構築には、参加者への事業説明や事業アナウンス、支援を提供する専門職の意思統一、参加者が求める支援の選択肢を増やすことの必要性が明らかとなった。これらの結果をモデル自治体の担当者に伝え、今後どのような方法で行っていくことがよいのかについて意見交換を行った。
支援介入の参加者への効果については、介入後6ヶ月後に再度フレイルチェックを行い、フレイル度の変化を確認する予定であったが、COVID-19により事業が長い間中止となったため実施することができなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

COVID-19感染拡大の影響により地域事業の中止、長期間にわたって開催の見送り等により、介入後の評価測定が実施できなかったため予定よりも遅れている。
また、法律改正があったにもかかわらずKDBのデータを部署横断で使用することに対して、理解が得られないことや内部での制限によりデータを活用した地域診断が今年度は実施ができなかった。

今後の研究の推進方策

感染対策に留意しながら地域事業が開催、継続されていることから、インタビューによって出された課題に対して、現場と相談しながらよりよい支援体制の構築を行っていく予定である。
また、ハイリスク者への6ヶ月評価の実施を行い、支援体制の実態把握と促進・阻害要因を調査にて明らかにし、支援体制の仕組みについての効果を評価する。
これらの結果をもとに事例マニュアルを作成し、他の地域でのトライアルに向けた準備を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の感染拡大により、予定していた学会がすべてオンラインになったことや事業の中止により介入現場に行くことができなかったため、使用額に差異が生じた。
令和2年度に実施できなかった事業が、令和3年度に再開することになったため、現場に行く回数が増えることが予想されるため、令和3年度助成金と合わせて使用をしたいと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 通いの場におけるアウトリーチ体制構築に向けた課題-SERVQUALを用いて-2020

    • 著者名/発表者名
      吉澤裕世、藤崎万裕、田中友規、高橋競、飯島勝矢
    • 学会等名
      日本公衆衛生学会総会
  • [学会発表] 通いの場でのアウトリーチ支援によるフレイル高リスク者の日常生活行動の変化-事例検討を通して-2020

    • 著者名/発表者名
      吉澤裕世、藤崎万裕、田中友規、吉田みどり、浅野美穂子、ザーリッチ陽子、高橋競、飯島勝矢
    • 学会等名
      日本サルコペニア・フレイル学会

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公開日: 2021-12-27  

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