最終年度はコロナウイルス流行後、地域活動が再開し地域在住高齢者を対象としたデータ収集が実施できた。対象高齢者は、32名で男性2名・女性30名であった。 測定項目は膝伸展筋力・足指把持力・脊柱彎曲角・重心動揺計・片脚立位保持・TUG・2Step testを実施した。測定終了後にエロンゲーションバンドを使用したトレーニングを週2回、10週間実施してもらった。週2回は公民館で実施され、多くの参加者がそれ以外の日も自主トレを行っていた。 10週後に再度測定を実施した。その結果は、TUG・2Step test・胸椎後彎角度が有意に改善していた。その他の項目も改善傾向にあった。 このことから、地域健康高齢者のトレーニング方法としてエロンゲーションバンドを使用したトレーニングは有効であると示唆された。この方法は臥位で実施する運動で転倒のリスクがないのが特徴で実際参加者で問題のあった参加者はいなかった。また、この運動は初回のみインストラクターが参加者に運動の指導を行った後は、公民館でDVDを見ながら運動し、参加者同士で運動修正を行いながら実施されたことから、参加者の自助・共助を推進することが可能ではないかと考えられた。
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