研究課題/領域番号 |
20K19234
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研究機関 | 平成医療短期大学 |
研究代表者 |
小林 美奈子 平成医療短期大学, 看護学科, 教授 (40312855)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ACP / 在宅ケア / 看取り / ボランティア育成 |
研究実績の概要 |
最後までのその人らしく生きることを支える関わりとして、アドバンス・ケア・プログラム(ACP)が概念化される。そこで、ACPに関連した医療福祉専門職や市民を受講対象としたホームページで公開されている教育や研修団体について、プログラム内容や期間等の実態の把握のため調査した。調査方法は、2020年9月下旬時点でインタネット上に公開されている、ACPや看取りの援助者養成の研修や資格認定を実施している団体でプログラム内容が公開され、ホームページで公開されているものを調査対象とした。結果、20以上の団体の研修および資格が検出・見出すことができた。受講者は当事者家族等が地域や施設での公益的な活動のため、保健医療福祉専門家が取得するもので幅広くあった。教育内容は当事者を対象とした看取りケアからグリーフケアのボランティア育成から、講師資格を授与、現場でのボランティアの資質を保証するもの、葬儀業者や行政書士等のスキルアップの資格として位置づけるものがあった。研修費用は無料から十数万まで幅があった。時間数は3時間(1回)から~77時間(10回)であった。今後の課題として、地域で看取りのボランティアを志す者が知識を得ようとしたとき、多種多様な資格や研修が存在するため、自らのニーズあったものを適切に選択することが困難となることが予測されることが課題としてあげられる。今後、実際に資格取得や研修を受けた人を対象に、どのような活躍や貢献をしているか調査して行くことも必要と思われる。 その他、医療福祉施設等や在宅ケアの現場レベルで、ACPの内容や具体的方法を示した標準フォーマットが存在しておらず、海外の文献検討から介入ガイドラインであるTIDieR checklistに沿ったACP改善の介入プログラム実践研究について文献検討をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度では、文献やインターネットによる実態調査であるため、研究を進めることができた。しかし、先駆的な看取りのボランティア育成の実際を視察したり、キーパーソンの聞き取りなどがCOVID-19の影響で進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19の影響で、多くの自治体や団体では看取りやACPに関するボランティア育成が中止となっているが、オンラインでは再開しはじめてきた。今後、市民と専門職がオープンに参加できるACPや看取りの人材育成している団体やキーパソーンにアプローチし、実際に資格取得や研修を受けた人がどのようなボランティア活動や職域で貢献をしているか調査の依頼をしたい。また、看取りボランティア育成のプログラムの内容も国内外の文献等から検討して行く。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響で、研究開始が遅れたこともあり、多くの自治体や団体では看取りやACPに関するボランティア育成が中止となっているため、当初の計画であった先駆的なボランティア団体等の視察等ができなかったことによる。さらに、在宅ホスピスやエンド・オブ・ライフケアに関連する学会で演題登録をし、採択となったが緊急事態宣言で県外を超えた移動ができなく取り下げを余儀なくされ旅費等が使えなかった。
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