研究課題/領域番号 |
20K19238
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
堀田 かおり 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (90760851)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 女性自立高齢者 / 役割 / 居場所 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、閉じこもり予防を促進する支援プログラムを開発するために、女性自立高齢者の強みを明らかにすることである。本年度は、(1)2020年度に行った文献検討の一部の論文化と(2)2020年度から継続して行っているフィールドワークの内容の論文化を行い、計2本の論文を学術雑誌に投稿した。 (1)文献検討の一部の論文化 高齢者が地域社会で取り組んでいるボランティア活動に着目し、質的システマティックレビューを行った。高齢者は、ボランティア活動に継続的に取り組むことによって地域における役割を獲得し、活動の場は居場所になり、地域貢献意識が高まっていることが明らかになった。 (2)フィールドワークの内容の論文化 女性自立高齢者が企画・運営している高齢者サロンや体操教室に参加して、参加観察やインタビューを行い、それらの内容を論文化した。高齢者は活動を運営する高齢者メンバー同士だけではなく、サロンや教室への参加者とも交流や学び合いがあることから活動を継続するようになり、結果として活動を運営することが生活の一部となり、生活習慣の改善や日常生活における活動範囲の拡大など、高齢者にとっての活動の意味や高齢者の行動に変化が起こることが明らかになった。 (1)および(2)より、高齢者が住み慣れた身近な地域で活動を継続できるように支援することによって、地域における役割や居場所の獲得につながったり、日常生活における活動範囲の拡大につながったりするため、閉じこもりの予防を促進すると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響から、地域において高齢者が活動できる時期に制限があった。そのため、高齢者が活動できない時期は、前年度(2020年度)の研究成果を論文化することに取り組んだ。
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今後の研究の推進方策 |
2020~2021年度にフィールドワークを行い、関係を構築した女性自立高齢者を対象とし、まずは閉じこもり予防を推進するための女性自立高齢者の強みを明らかにする。 明らかになった強みをもとに、閉じこもり予防を促進するための支援プログラムの開発に取り組んでいく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究調査を実施するために計上していた予算の使用がなかった。また、情報収集のために参加予定としていた学術集会がオンライン開催となったため、旅費が発生しなかった。次年度は、本年度の研究成果をもとに調査を実施する予定であり、調査に伴う費用を支出する予定である。
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