下記の通り段階的に研究を遂行した. 【第一段階】5年以上の経験を有する市町村保健師5名に半構成面接調査を行った.調査内容は,継続的な支援が必要な家族に対して助産師との連携がはかれた/はかれなかった事例を想起してもらい,その理由および連携に関わる具体的な技術・活動の実際,課題等とした.保健師は,助産師および他職種・機関との連携に際し,主体的活動あるいは橋渡し等を実施していた.継続支援が必要な事例を把握し,所内では情報共有や対応を協議し,タイミングを見極めて助産師との連携をはかっていた.また,担当者会議や電話・文書による継続的な情報共有,病院訪問等を実施し,円滑な連携のための活動を行っていた.助産師との連携について,双方の役割の認識の必要性,対応事例以外でも顔を合わせる必要性,オンライン活用による連携の可能性も語られた.また一方,助産師との個人情報の認識の差,医療機関自体の連携に対する認識の差についての課題が明らかとなった.連携活動に関連のある文脈を取り出して内容分析を行い,先行研究の分析結果を踏まえて連携活動指標の原案として64項目を抽出した. 【第二段階】保健師または助産師かつ研究者の経験を有する者5名に,第一段階で作成した連携活動指標の原案についての評価度(同意の程度についての4段階のリッカート尺度),その理由,各項目への意見,追加・削除項目等に関する構成面接調査を行った.同意の程度を集計し,各項目について修正内容を検討し,連携活動指標を精選した.64項目の内,「適切である」「どちらかといえば適切である」の割合が80%に満たなかった1項目を削除,項目の表現等を精査し,63項目の連携活動指標を生成した.連携活動指標は,保健師が助産師と連携をはかるまでの調整,助産師を含む医療機関等との複数の場面での関わり,連携のための助産師との共有のはかり方等であった.
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