研究課題/領域番号 |
20K19253
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研究機関 | 東北福祉大学 |
研究代表者 |
浮田 徳樹 東北福祉大学, 健康科学部, 講師 (00845993)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 車椅子 / シーティング / 圧力分布計測 / アンケート調査 / 意識調査 / 下肢位置 / 上肢の操作性 |
研究実績の概要 |
2023年度は、前年度に感染症対策の観点から実施が遅延していた研究協力施設内の実際に車椅子を利用中の高齢者を対象とした研究を再開し、合計32名のデータを収集した。収取データについては、分析を行い、体幹機能の差が下肢の位置の違いにより上肢機能のアウトカムに影響を及ぼす可能性について新たな知見を得てきている。現時点で得られた知見や健常者研究を通じた全体的な内容から得られた成果については、招聘を受けた第39回日本義肢装具学会学術大会にて「上肢作業効率向上のためのシーティング方策」として内容を成果報告していることに加え、各種依頼セミナーの中で成果については報告をしている。また、2021-2022年度に実施した健常者を対象とした研究結果は、英雑誌(Disability and Rehabilitation Assistive Technologyなど)に投稿済みで査読中であるが、受理には至っていない状態である。 2024年度は、2023年度にデータ収集を行った高齢者実験の結果を再度見直しながら、必要に応じてデータ数を追加しながら、最終的な研究成果を論文化し、成果報告をしていくことを中心に活動していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
健常者を対象とした成果報告については、2023年4月より国際誌での査読が開始されたが、未だ受理に至っていない。高齢者を対象とした施設内での研究介入結果は、当初の仮説が否定される形のデータとなったが、新たな知見を得られている状況である。アンケートおよび健常者・高齢者実験を通して、具体的な下肢位置の指導指針の作成を行うためには、継続して下肢位置と上肢機能の関係性を精査する必要があり、当初企画していた全体の進捗としては遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、高齢者を対象としたデータ収集を締めくくり、健常者および高齢者データの論文発表を進める予定としている。高齢者データについては、当初の仮説と異なる結果が示されているため、新たな切り口での新知見を中心に解析を継続していく予定である。最終成果物として予定していた下肢位置指導指針の作成等については、どのような形で実現していくかを要検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度繰越分を含め、2023年度の予定使用額以上の助成金執行を行ったが、主に国際雑誌での成果報告を年度だったため、差引額が貯蓄している。国際学会での成果報告は、現時点では今回の経費執行からは除外していく予定であるが、2件の国際雑誌での成果報告(オープンアクセス)で400,000円程度の費用が見込まれており、国際誌への成果報告に繋がる形での助成金使用を想定している。
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