研究課題/領域番号 |
20K19263
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研究機関 | 藍野大学 |
研究代表者 |
佐藤 文子 藍野大学, 医療保健学部, 准教授 (80512417)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 外国人ケア労働者 / 多文化共生 / 経済連携協定 / 職場定着 |
研究実績の概要 |
経済連携協定(EPA)による外国人看護師・介護福祉士候補者の受け入れが開始してから今年で12年目を迎えている。未だ国からの統一化した支援内容が示されない中、受け入れ施設による独自の支援が続いている状況である。外国人労働者の受け入れに伴い、日本の医療・介護施設では徐々に国際化が進むものの、多文化共生の実現に向けた取り組みは殆どみられていない。しかも、それが一要因としてあるのか、外国人ケア労働者が労働力として定着していないという課題が生じている。
2020年度は新型コロナ感染症の影響により、国境を越えた移動が非常に難しくなった。既に経済連携協定で来日し、日本の医療・介護施設で就労している外国人ケア労働者にとっても不安の強い日々だったのではないかと思われる。本研究では、職場での多文化共生を促し、外国人ケア労働者の職場定着を図るためのプログラムを検討していくことを目指しているが、このような平時ではない状況において、より一層、多文化共生の実現が重要となっているのではないかと考える。
本研究では、外国人労働者を受け入れている医療・介護施設の支援体制や支援内容の実態はどうであるのか、外国人ケア労働者が日本の職場に定着するにはどのような支援が効果的であるのかについて実態を把握するためのアンケート調査を実施する予定である。2020年度は、アンケート調査を実施するための質問紙の作成や、対象施設のリスト化などを行った。また、アンケート調査の結果を効果的に分析する上で、質的・量的データの分析に関する研修を受け、必要な知識と技術を学び、準備を整えた。今年度は、これらの下準備を踏まえて、調査の実施、分析に取り掛かる予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
大学の新型コロナウィルス感染症対策(学内実習、オンライン講義・演習への切り替えなど)に想定以上の労力と時間を有したため、研究の進捗としては当初の予定よりも大幅に遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画と比べるとかなり遅れている状況ではあるが、2020年度にアンケート調査の実施に向けて、質問紙や依頼文などの必要書類の作成や、対象施設のリスト化など、必要な準備を進めた。今年度中にアンケート調査の実施とデータの分析等を行う予定である。
研究を遂行する上での課題として、今年度もコロナによる影響があるのではと考えるが、2020年度の経験を活かし、研究活動も着実に前に進めていけるように取り組んでいきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は新型コロナウィルス感染症の影響を受けて研究計画が大幅にずれ込んだため、支出総額が当初の予定よりも少額となった。2020年度分の残額分については、今年度の研究を円滑に遂行するための経費に充てる予定である。具体的には、アンケート調査で使用する質問紙などの印刷代や通信費、研究協力者への謝礼や分析ソフトの購入費等に充てていく予定である。また、2020年度に購入予定であった、シュレッダー等の購入も予定している。研究課題に関連する書籍の購入や学会参加にかかる費用等にも充てる予定である。
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