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2020 年度 実施状況報告書

ケイパビリティアプローチに基づく健康の公平をまもる公衆衛生看護実践モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 20K19267
研究機関熊本保健科学大学

研究代表者

戸渡 洋子  熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (40623509)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードケイパビリティアプローチ / 公衆衛生看護 / 文献研究
研究実績の概要

健康の公平をまもる公衆衛生看護理論としてCAの枠組みを用いる妥当性を検討すると共に、新たな公衆衛生看護の実践モデル構築に向け示唆を得ることを目的とし、CAの枠組みを取り入れた健康格差対策の先行研究レビューを行った。
文献検索サイトPubMedを用い、タイトルもしくは抄録に「capability approach」を含み、かつ、全文に「health disparities」を含む8文献の内容を精査し、センのCAを枠組みとして用いた研究、6文献を抽出した(2020年5月1日現在)。
文献は、2008年~2019年に発表されていた。これらの文献において、CAのフレームワークとしての用途は、「障害を持つ人々への看護実践」、「貧困地域のヘルスニーズ把握」、「退役軍人の人種による健康格差における社会的要因とケアの質の検討」、「公衆衛生プログラム(社会的脆弱性の高い女性の運動推進)の検討」等であった。さらに、着眼しているCAの要素は、「個人の行為主体(エージェンシー)性」、「自由意志での選択」、「個人のケイパビリティ(能力、しようと思えばできることのすべて)」、「資源をケイパビリティに変換することのできる因子とそれらとの関係性」であった。
CAの枠組みは、対象とする脆弱性の高い個人・コミュニティの人々が、資源を有効に活用するためのニーズを把握する視野を提供し、また、対象の行為主体性を重視し施策やサービスの方向性を対象自らが選択していくプロセスをサポートする必要性を説明する。健康格差の是正を目指した公衆衛生看護実践モデルとして、その有用性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本実践モデルに関連する先行研究レビューは実施できたが、COVID-19の影響により、先駆的に健康格差対策を行っている自治体保健師および管理者(担当課長等)へのインタビュー調査が、実施できず、そのため、インタビュー結果等を題材として実施する予定であった研究者・研究協力者による実践モデル検討会も実施できていない。本年度は、ケイパビリティの枠組みを用いた看護実践の先行研究(海外文献)レビューとその学会発表(公衆衛生学会・オンライン開催)のみの活動となった。

今後の研究の推進方策

インタビュー調査・アクションリサーチについては内諾を得ているものの、調査対象の市町村・保健所保健師は、COVID-19対応にて現在多忙を極めているため、調査時期を2021年度後半に設定し、準備を進めている。対面での調査が見込めない場合を見据え、調査方法の変更(対面で行うインタビュー調査・アクションリサーチを、オンライン・インタビューやアンケート調査に変更)をあわせて検討する。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の影響により、予定していたインタビュー調査・アクションリサーチに向けた会議は、2021年度に延期することとした。そのため、一部の物品費・旅費・人件費については2021年度に繰越する。しかし、対面での調査・会議のめどが立たない場合を想定し、調査方法をインタビュー調査・アクションリサーチから、リモート実施やアンケート調査への変更を視野に入れて準備をすすめる予定。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ケイパビリティアプローチに基づく健康格差縮小のための公衆衛生看護実践モデルの検討2020

    • 著者名/発表者名
      戸渡洋子、荒木善光、福本久美子、尾島俊之、宮北隆志
    • 学会等名
      第79回日本公衆衛生学会総会

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公開日: 2021-12-27  

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