研究課題/領域番号 |
20K19278
|
研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
遠田 大輔 富山県立大学, 看護学部, 助教 (40846135)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 認知症 / 家族 / 災害 / 備え |
研究実績の概要 |
本研究では、在宅認知症者と家族の災害に対する備えの実態と阻害・促進要因を明らかにし、備え強化に向けた支援策を考案することを目指している。 近年、わが国では大規模な災害が頻発しており、要介護者に多くの犠牲者が出ている。とりわけ、認知症者は災害時に避難を拒んだり、無事に避難しても、避難所生活による著しいストレスや治療中断により、病状悪化や生命の危機に陥る。被災後に行動・心理症状などが増悪しやすく、避難所での生活継続を困難にさせる。一方、介護する家族の心身への負担も深刻で、被災時の避難所では介護による疲弊や介護放棄などの発生が報告されている。認知症者と介護者双方への支援を考慮した災害への備えが重要と考えた。 令和2年度は、研究の第一段階として、認知症者と家族の災害への備えと、備えの阻害・促進要因を明らかにするため、医療機関に外来通院している在宅認知症者の主介護者を対象に、災害時のために実際に行っている備え、備えた経緯と受けた支援、備えを阻むものなどについてインタビューを行う予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大のため、研究協力施設の承諾が得られず、研究参加者の確保が困難となり、データ収集が予定通り進んでいない。この間、インタビューに先立ち、災害医療や認知症看護の有識者から予測される備えの阻害・促進要因について意見をもらった。さらに再度文献レビューを行い、知見を深めた。調査実施に向けた準備を着実に整えてきた。研究参加者が確保でき次第、インタビューを進める予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
インタビュー調査を行うにあたり、新型コロナウイルスの感染拡大により、研究協力施設および研究参加者の確保が困難であったため。オンラインでのインタビューも検討したが、対象が高齢であったりネット環境が整っていなかったりと実施は難しかった。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスのワクチン普及の状況を鑑みて、研究協力施設および家族介護者への協力依頼を再度試みる。研究協力を依頼する施設を増やす予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
資料収集の予算を計上していたが、参加予定であった学会・研修・講演などが中止やオンライン開催となり、旅費を使用できなかった。インタビューのための人件費、謝金も残った。 次年度は、資料収集の追加を予定している。また、新型コロナウイルスのワクチン普及により、インタビューも実施していける見通しである。
|