研究課題/領域番号 |
20K19285
|
研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
森田 誠子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (70848746)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 行政保健師 / 行政能力 / 地方自治体 / ケース・スタディ |
研究実績の概要 |
本研究では、Yinのケース・スタディ法に基づき、①文献調査により行政保健師の行政能力を特定し理論枠組みを作成する、②理論枠組みを元に地方自治体をフィールドにパイロット・ケース・スタディを実施する、③パイロット・ケース・スタディを修正しケース・スタディを実施する、④ケース・スタディ・リポートを作成し行政保健師に特有な行政能力を明確化する、というプロセスで研究を進行する予定である。 2020年度は、①の文献調査を行い、行政保健師の行政能力に関する学術的知見を整理した結果、以下の点が示唆された。1.本研究において行政保健師の行政能力としている、行政保健師が地方自治体で行政職としての職能で働くことに関連する能力は、施策化や事業化スキル、コンピテンシー等と行政保健師や研究者各自において異なる認識がなされている、2.経験年数に関わり無く修得可能であるという知見がある一方、自治体保健師の標準的キャリアラダーに則って中堅期以上に見られる能力であることを前提とするものがあり、異なる知見が構築されている、3.知見の蓄積が、行政保健師の施策化および事業化に集中している。 今後は、上記明らかになった行政保健師の行政能力の概念モデル等の作成をするとともに、事務職に見られる行政能力の文献調査を行い、未だ認識されていない行政保健師の行政能力を含む理論枠組みを作成することが急がれる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
行政能力に関して地方自治体の業務を知悉している者にスーパーバイズを受ける予定であったが、地方自治体においてCOVID-19への対応が非常に繁忙であるとの理由から、スーパーバイザーとの調整が困難であった。
|
今後の研究の推進方策 |
2021年度は、文献調査を継続し理論枠組みを決定するとともにこれまでの結果を公表する予定である。パイロット・ケース・スタディの実施については、COVID-19が依然として感染拡大状況にあることから参加自治体の調整が困難であることが予測されるが、データ収集方法を見直す等し、2021年度中に開始できるよう調整を進めていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
学会参加のための旅費を申請していたが、COVID-19の流行により予定していた学会がオンライン開催となり、旅費の使用が無くなった。また、文献調査が予定よりも進んでいないため、文献や資料の購入と取寄せ料として使用していないものがある。次年度は、未だ行っていない文献調査を進める予定であるため、文献、資料の購入と取寄せの費用がかかる予定である。また、パイロット・ケース・スタディの実施や参加自治体との打合せ等をするために複数回現地に赴く予定であり、旅費として使用する。
|