研究課題
若手研究
慢性腎臓病患者は病期の進行に伴い、尿毒症物質であるインドキシル硫酸が体内に蓄積し続ける。本研究では、腎不全モデルラットを用いて長期的運動がインドキシル硫酸の体内蓄積に及ぼす影響を検証した。CKDモデルラットにおける長期的運動は、高血圧、腎機能、腎傷害、腎酸化ストレスの改善を伴い、インドキシル硫酸の体内蓄積の増加を抑制した。CKDにおける運動療法は、体内の尿毒症物質蓄積の予防や治療法の一つとなり得ると考えられた。
運動分子生物学
近年、CKD患者に対する長期にわたる包括的なプログラムとして腎臓リハビリテーションが提唱されているが、有効性の機序についての報告は少なくエビデンスが不十分である。本研究では、CKDラットにおいて運動が腎保護および尿毒症物質の体内蓄積抑制を示すことを明らかにした。今後、CKDモデルラットにおける運動による筋内尿毒素の蓄積やその機序についての詳細な検討を行うことで、CKD患者におけるuremic sarcopeniaの予防や新しい治療法の開発につながる可能性が考えられる。