研究実績の概要 |
本研究は、排痰補助装置であるmechanical in-exsufflation(MI-E)が人工呼吸器関連肺炎(VAP)の予防に対し、集中治療領域にてMI-Eの安全性とVAPに対しての有効性について明らかにする研究である。 研究成果として、集中治療領域におけるMI-E使用のVAPの予防効果について、後方視的なコホート研究をまとめ、以下のように英文誌に論文が掲載された。 Kuroiwa R, Tateishi Y, Oshima T, Inagaki T, Furukawa S, Takemura R, Kawasaki Y, Murata A. Mechanical Insufflation-exsufflation for the Prevention of Ventilator-associated Pneumonia in Intensive Care Units: A Retrospective Cohort Study. Indian J Crit Care Med. 2021;25:62-66. この研究結果では、集中治療室に入室した患者に対し、MI-Eを実施した群とヒストリカルコントロール群に分け、主要なアウトカムをVAPの発生として比較したところ、MI-E実施群のVAPの発生率が有意低下していたものであった。また、抗生剤使用日数においても、MI-E実施群の方が有意に低下している結果となった。これは、今後前向き研究を行う上で、非常に有用な情報が得られた結果となった。 また、次年度に開催予定の国際学会(World Physiotherapy Congress 2021 online)にて、後方視的なMI-Eの安全性に関する研究の成果を発表予定である。さらに、MI-Eの安全性に関する後方視的な研究をまとめたものを、今後英文誌へ投稿予定となっている。
|