脳卒中片麻痺者は歩行中足元を見る傾向があるため、自身が対処すべき情報を事前に認識することが困難となる可能性がある。本研究の目的は、片麻痺者の視線行動が動作にどのように影響するかを明らかにすることである。 新型コロナウィルスの影響からスケジュールを大幅に修正し、主に2つの課題を行った。第一課題では、若年健常成人を対象に光刺激に対する単純視線応答課題を行い、姿勢保持・歩行条件に関わらず一定の視線応答時間となることを示した。第二課題では、同名半盲を有する脳卒中片麻痺者の視線行動に着目し、サッカード(視覚目標を捉えるための急速眼球運動)機能不全が移動時視線行動に少なからず影響している可能性を示した。
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