研究課題/領域番号 |
20K19319
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
秦 若菜 北里大学, 医療衛生学部, 助教 (50448958)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 吃音 / リハビリテーション / リハビリテーション効果 |
研究実績の概要 |
吃音とは、音や語の繰り返し、ブロックと呼ばれる発話の中断などを主症状とする発話の障害の一つである。流暢なスピーチを達成する呼吸・発声・構音の協調性の破綻に起因する、ことばの流暢性の障害と定義されている。多くは幼児期に発症し、その発症率は4~5%(Morly 1972,Guitar 2006)と言われている。発症後に自然治癒するケースもあり、成人の有症率は不明であるが、学齢期の有症率は1%と報告されている(Bloodstein 1995)。成人の吃音者は発話や自身に対して無力感、欲求不満、怒り、絶望といった感情を抱くことが少なくない。こうした心理的負担は社会的な活動制限や参加制約を伴い、QOLの低下につながっている。このような状況の中、本邦では言語聴覚士による成人吃音者のリハビリテーションを行う事ができる施設は少ない(原 2009)。また、国内・外を総覧しても、吃音に対する言語聴覚療法の効果を発表した研究は少なく、広く吃音者に効果的な言語聴覚療法を提供するには至っていない。 そこで、本研究では下記の2点を明らかにすることを目的として研究を進めている。①言語聴覚療法の持続的な有効性の有無を明らかにする。リハビリテーションの実施前・後評価を比較して、吃音の症状および吃音者自身の主観的な評価に変化がみられるのか、その変化はどの程度であるかを検証する。②流暢性の増加に起因する発話の質的変化を明らかにする。吃症状が軽減し、流暢性が増した発話では、諸様相(発話速度や休止時間、休止回数など)がどのように変化しているのか明らかにする。 本研究を実施するにあたって、2020年度は主に文献等資料の取集、関係者との協議・相談、リハビリテーション実態の調査、倫理審査申請書の作成準備等を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年は研究計画の策定・研究準備を中心に行っており、現在までの進捗状況はやや遅れている。該当期間は新型コロナ感染症拡大の影響を受け、教育業務など他業務に多大な時間を費やす必要があったため、研究業務に対して十分な時間をかけることができなかった。また、研究機関への研究参加者の入構が難しくなったために、研究計画の見直しも必要になった。 実施した内容は、主に、①研究手続き・流れ に関して関係部署内での調整、話し合い ②倫理審査申請準備 であった。今後は、倫理審査申請・承認後、対象者のリクルートを開始する。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度 北里大学医学部・病院倫理委員会における倫理審査承認後に①対象者のリクルート:対象者の選択基準に該当する者へ研究概要および対象者募集要項を書面にて郵送する。 ②研究の説明と同意:研究への参加を表明した者に対し、研究方法、倫理的配慮を文書・口頭で説明し、対象者の理解を得る。 ③基本情報の収集:基本情報(年齢、性別、職業、主訴、現病歴、家族歴)をカルテ、質問紙より抽出する。 ④評価の実施:<検査項目>吃症状の評価:自由会話、文章音読課題。主観的評価:質問紙(吃症状の種類や頻度を問う)、社交不安尺度評価(LSAS-J)等の実施
2022年度 ①対象者のリクルート ②研究の説明と同意 ③基本情報の収集 ④評価の実施 ⑤リハビリテーションの実施に関するデータの収集:リハビリテーションを実施した期間およびその回数と内容を集計する。 ⑥音声データの解析を行う。①~④は2020年度の継続である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 新型コロナ感染症拡大の影響を受け、教育業務など他業務に多大な時間を費やす必要があったため、研究業務に対して十分な時間をかけることができなかった。また、研究機関への研究参加者の入構が難しくなったために、研究計画の見直しも必要になった。そのため、研究の進捗が遅れ、予算の執行が予定通りには行われなかった。 (使用計画) 物品費として、検査データおよび音声データ保存のための外部記憶媒体(外付けHDD)他文房具等消耗品を購入予定である。人件費・謝金として、音声データの解析に関わる人件費、研究参加者への謝礼を支出する予定である。
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