成長期における女性の膝前十字靭帯(ACL)損傷は,ACL再建術後における反対側の損傷率が高い問題を抱えている.その要因として,筋力に着目した競技への復帰基準が一般的であり,運動学的な基準が確立されていないことが考えられる.本研究は,膝前十字靭帯再建術後の反対側における片脚着地時の衝撃吸収パターンを検証することを目的とした. 再建術側では,股関節衝撃吸収量が反対側に比して有意に高値(p=0.02)を示し,反対側では,足関節衝撃吸収量が再建術側に比して有意に高値(p=0.01)を示した.ACL再建術後の下肢関節の衝撃吸収パターンは異なり,再損傷の危険因子は異なる可能性が示唆された.
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