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2022 年度 実施状況報告書

ウェアラブル端末を用いた認知症の早期発見と類型化に有用となる指標の探索

研究課題

研究課題/領域番号 20K19337
研究機関北海道大学

研究代表者

高倉 祐樹  北海道大学, 保健科学研究院, 特任助教 (20861818)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード認知症 / ウェアラブル端末 / 神経心理学 / 軽度認知障害 / 高齢者 / 認知機能 / fMRI
研究実績の概要

近年、認知症の早期発見を目的として、スマートフォンやスマートウォッチなどのウェアラブルデバイスから得られる生体データや、日常行動データに着目した研究が増加している。しかし、どのようなデータが、臨床上の意義を有するのかについては、いまだ探索的な段階にある。本研究の目的は、ウェアラブルデバイスから得られた認知症患者の日常行動データと、神経心理学的検査および脳機能画像法によって得られた情報を統合することで、認知症の早期発見とタイプ分類に有用な指標を明らかにすることである。
2022年度は、コロナ禍により前年度に実施が困難であった健常高齢者を対象とした各種神経心理学的検査と、ウェアラブルデバイスを用いた日常行動データの収集を開始した。パイロットスタディとして、健常高齢者10名に対し、全般的認知機能検査(MoCA-J、RCPM)、注意・遂行機能検査(TMT-J、CAT)、記憶検査(S-PA、RBMT、WMS-R)等の詳細な神経心理学的検査を実施するとともに、腕時計型のウェアラブルデバイス「GT9X (ActiGraph社)」を用いて、2週間の活動量、就寝時間、睡眠時間等を測定した。さらに、膨大な日常行動データを効率的に抽出、分析するためのソフトウェア開発を行った。現在は、これらのデータの解析を進めている段階である。
加えて、昨年度に実施した遠隔形式での神経心理学的検査の信頼性に関する結果を論文化し、現在、国際誌に投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の流行期間中に、研究参加者のリクルートが停滞したため「遅れている」と判定した。

今後の研究の推進方策

パイロットスタディによって得られた神経心理学的検査と日常行動データの分析を進め、認知機能の状態を把握するうえで焦点を当てるべき日常行動や、日常行動との関連性が密接な神経心理学的パラメータを同定する。そのうえで、研究対象者を認知症患者へと拡大するとともに、脳機能結合の状態の評価(安静時fMRIを使用)を併せて実施していく方針である。加えて、新型コロナウイルス感染症の流行状況に応じて、Web会議システムを利用した遠隔形式による神経心理学的検査も併せて導入し、研究計画の遅滞が生じないよう対処する。

次年度使用額が生じた理由

当初はウェアラブル端末を30台購入予定であったが、研究参加者のエントリーが想定よりも少なかったため、端末の購入数を削減したことが主な理由である。また、新型コロナウイルス感染症の流行により、リクルートが停滞したことで、fMRIを用いた実験に至っていないことも、次年度使用額が生じた理由である。残額分については、参加者のエントリー数に応じたウェアラブル端末の追加購入、fMRIの利用料として使用するとともに、日常行動データの収集精度を向上させるためのIoT機器(照度センサー、人感センサー、動き感知センサーなど)や、大量のデータ分析に耐えうるスペックのPC購入に使用する予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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