研究課題/領域番号 |
20K19344
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
伊達 翔太 広島大学, 医系科学研究科(保), 助教 (30866869)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 頚髄症 / 手指運動機能 / リハビリテーション / ウェアラブルセンサ |
研究実績の概要 |
1. 昨年度開発した小型ウェアラブルセンサーを用い,術前頸椎部圧迫性脊髄症(頚髄症)患者および健常成人,計120名(患者群60名,健常者群60名)の手指巧緻運動機能を調査した. 2.術前頚髄症患者60名(重症群30名,軽中等度群30名),年齢を合わせた中高齢健常者30名,若年健常者30名を対象に手指の屈曲・伸展動作を反復させる課題時の手指の加速度・角速度を測定した.その結果,頚髄症患者は健常者と比較し,手指の運動速度が遅く,屈曲と伸展の運動の切り替えしが遅延することが明らかとなった.さらに,これらの結果は,手を使用する日常生活動作が困難な重症例ほど,手指の運動速度が遅いことが明らかとなった. これらの結果は,従来から頚髄症患者の特徴として質的に報告されてきたが,本研究では,それらの頚髄症患者の手指運動の特徴を定量的に明らかにした研究となった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
術前頚髄症患者の手指運動について,ウェアラブルを用いてデータを取得し,得られた結果について,学会発表,査読付英文誌へのpublishまで行うことができたため,おおむね順調に進展している,と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,術前にデータを取得した患者に対し,術後の運動機能の変化をウェアラブルを用いて計測し,術前-術後の運動学的な変化を調査していく方針である.
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次年度使用額が生じた理由 |
新たなウェアラブルセンサーを導入し,頚髄症患者の手の使用頻度等の調査を行う予定であったが,COVID-19感染拡大の影響により,従来のセンサーを用いた調査を継続して行った.2022年度は予算計上したセンサーを導入し,患者および健常者のデータ計測を行う予定である.
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