研究課題/領域番号 |
20K19351
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研究機関 | 文京学院大学 |
研究代表者 |
鈴木 里砂 文京学院大学, 保健医療技術学部, 准教授 (50781035)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 動作分析 / 習熟度 / 視線追跡 / フィードバック |
研究実績の概要 |
2021年度前半は,新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け,理学療法学生の動作分析時の視線追跡実験を行う予定であったが,実験計画を見直す必要があったため,文京学院大学倫理審査委員会に見直した内容での倫理審査申請を実施し,承認を得た.また,昨年度までに計測した国家資格を持った療法士(以下,セラピスト)の経験年度別の視線追跡軌跡の計測データをまとめた.このセラピスト対象研究の目的は,セラピストの習熟度を定量的に把握することであり,彼らの動作分析時の視線の座標を測定することで,新たな熟練度の指標を得ることが出来た.被験者は,任意で募集した理学療法士18名であった.判別分析の結果,10年目以下の分類精度の割合は72.2%であった.クラスター分析の結果,2つのクラスターが形成されていた.クラスター2のセラピストは全員9年目以上であった.アイトラッキングの軌跡は,セラピストとしての経験年数10年目によって分類することができることが示され,経験年数が 9 年未満であれば、ある程度軌跡を分けることができることが明らかとなった.この内容を論文としてまとめ,最終的に今年度末までに学会誌での報告を行った. 2021年度後半は,経験のあるセラピストの動作観察時の視線計測のモデル軌跡を作成し,トレーニング実験用のモデルパッケージを作成した.その後,理学療法学生に対する動作分析時の視線追跡実験の参加者募集を行い,実験を開始した.現在までに5名が参加している.次年度以降も継続し,結果の分析と考察を行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染拡大に伴い,学生の臨床実習の計画どおりの遂行に支障がでていること,学生や医療関係者のリクルーティングや,データ収集のための移動が非常に難しい状況にあるためである.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては新型コロナ対策を万全に行いつつ,規模は縮小しながら理学療法学生に対する動作分析時の視線追跡実験を継続して行う予定である.また,計測結果をまとめ,学会発表やシンポジウムでの経過報告を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大のため,活動が難しく今年度は,倫理申請や,論文作成とその投稿を中心に使用させていいただいた.次年度は,感染リスクの低い方法でのデータ収集や,学会参加と発表(対面参加),論文投稿にかかる経費を予定しているため,翌年度に使用させていただきたいと考えている.
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