研究課題/領域番号 |
20K19351
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研究機関 | 学校法人文京学院 文京学院大学 |
研究代表者 |
鈴木 里砂 学校法人文京学院 文京学院大学, 保健医療技術学部, 准教授 (50781035)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 動作分析 / 習熟度 / 視線追跡 / フィードバック / 医療専門職教育 |
研究実績の概要 |
2022年度前半は,2021年度後半より開始した理学療法学生に対する動作分析時の視線追跡実験の参加者募集を行い,実験を継続した. 新型コロナウィルス感染拡大のため感染対策も加味した新規の倫理審査承認事項に則り実験を行なった.対象は理学療法士養成校学生10名であった.参加者は2種類の模擬患者歩行動画(前額面・斜め視点)について動作分析を行いながら2回ずつPC上で模擬患者の歩行動画を視聴した.その後,習熟した療法士の視線追跡を基とした視線軌跡モデルが追加された動画を用い視線追跡トレーニングを行った.最後に,学生は,再度,模擬患者歩行動画を視聴した.計測は,非接触赤外線視線測定装置を用い,トレーニング前後の際の視線軌跡とSaccade割合を計測した.結果は,Saccade(前額面視点)割合は,視線追跡トレーニング後で有意に増加しており(p=0.037),また,トレーニング後の学年間差については,4年生の方が視線追跡トレーニング後のX軸方向視線座標偏差(前額面動画)が有意に拡大した(p=0.033).視線追跡トレーニング前の視線座標偏差では学年間の差が認められなかったことから,学年間の学習内容や実習経験の有無が結果に影響しなかったことが明らかとなった.ただし,学年が高い4年生の方がトレーニング後の左右方向の視点が拡がっていたことから,知識や臨床実習経験の有無が視線トレーニングの効果に影響を与える可能性が示唆された,2022年度後半は,この結果についてまとめ,学会報告を行なった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染拡大に伴い,学生の臨床実習の計画どおりの遂行に支障がでていること,学生や医療関係者のリクルーティングや,データ収集のための移動が困難であったこと,感染対策を加味し実験計画を見直す必要があり,再度倫理申請を行なったことなどから研究実施に遅れが生じてしまった.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は,理学療法学生に対する動作分析トレーニング時の視線追跡の追加実験を行うとともに,トレーニング後のアンケートのよる自由記述データについいてもまとめていく予定である.また,計測結果をまとめ,学会発表やシンポジウムにおいて報告を行い,論文として報告する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの感染拡大に伴い,学生の臨床実習の計画どおりの遂行に支障がでていること,学生や医療関係者のリクルーティングや,データ収集のための移動が非常に難しい状況にあるためである.
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