研究課題/領域番号 |
20K19357
|
研究機関 | 帝京科学大学 |
研究代表者 |
澤田 有希 帝京科学大学, 医療科学部, 講師 (40747995)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | フレイル / 高齢者 / 虚弱 / 環境因子 / 住環境 |
研究実績の概要 |
わが国では、フレイル(虚弱)・要介護予防が喫緊の課題となる中、住環境など環境因子における具体的な予防策や研究成果は乏しい。フレイルの予防に関しては栄養・運動・社会参加が重要だとされるが、その背景には何らかの環境因子が存在するのではないかと考えられる。本研究では、これまでの研究を発展させ、フレイル・要介護の背景要因の一つと想定される環境因子に着目し、フレイル・要介護予防のためのチェックリスト及びその対策集の開発を目的として研究を進めている。 1年目の令和2年度は、地域在住のフレイルの高齢者から、自覚的な困りごととその対策を収集することを目標としていた。そのために、大規模アンケートの実施と二次調査として訪問調査を計画していた。しかし、コロナウイルス感染症の影響に伴い、郵送物の発送や訪問調査は差し控えた方がよい状況が続いたため、実際に調査が行えなかった。 そこで、1年目は海外での状況の把握や、フレイルに関連する転倒や閉じこもり、栄養失調など、これまで別々に研究されてきた具体的な予防策や研究成果について、文献調査を行った。文献調査では、転倒や閉じこもりなどの個々の要因に基づいた対策は示されているものの、フレイル対策としての総合的に環境因子について論じたものは見られなかった。 また、すぐにでも大規模アンケート調査が実施できるようにアンケート調査の準備を進めた。フレイルに関する調査は、外出状況や社会交流に関わることから、コロナウイルス感染症の影響を受けやすいと考えられ、それを考慮した設問や文言も加えてアンケート用紙を作成した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
1年目に計画していた大規模アンケート調査および訪問調査が、コロナウイルス感染症の影響を受け、実施できなかっため、研究の進捗状況は遅れている。訪問調査の実施は見直す方向ではあるが、大規模アンケート調査に関しては、実施する準備が整っているので、感染症の影響を踏まえて上で、令和3年度早期に実施したいと考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
令和2年度に実施予定であった大規模アンケート調査は、令和3年度に実施予定である。1年計画が遅れたものの、その後の経時的アンケートは順次年度を遅らせて実施を計画する。分析や対策集の作成時期が遅れ、その期間が短くなることが予想されるが、その期間で計画の調整を図り、予定通りの3回のアンケート調査は実施したいと考えている。 また、大規模アンケートの内容に関しては、外出状況や社会交流状況等、コロナウイルス感染症の影響を多分に受ける可能性があり、その影響に配慮した設問・文言を新たに追加したアンケート用紙を使用して実施する予定である。 一方、大規模アンケート調査後に、訪問調査を実施予定であったが、訪問調査については、感染症予防の観点から接触を防ぐため見直す。大規模アンケート調査の結果も踏まえて、当初の予定よりも範囲を限定し、必要であれば、二次調査として再度アンケート、または電話・web動画システムを使用したインタビューへの変更を計画している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度に計画していた大規模アンケート調査および訪問調査を1年延期したことから、令和2年度の使用額が大幅に減じた。一方で、大規模アンケートは令和3年度に実施予定であり、それに伴う使用額が必要となる。大規模アンケートにかかる費用についてはアンケート用紙作成に伴う物品費だけでなく、その回収・分析に伴う人件費、訪問調査については謝礼や旅費等を想定していた。訪問調査については実施を見直すが、大規模アンケート調査にかかる費用は令和3年度に必要となる。 また、令和2年度は学会等が中止あるいはオンライン開催となったのに伴い、旅費が不要となった。
|