研究実績の概要 |
令和4年度までに,予備調査として,外来通院中のサルコペニア合併の慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)患者を対象とし,通常の呼吸リハに神経筋電気刺激療法(neurormuscular electrical stimulation;NMES)を併用した12週間の呼吸リハを行なった結果,骨格筋指数と下肢筋力は増加することを明らかにした.しかしながら,研究デザインは前後比較試験としたため対照群をおいていない. そこで,令和5年度は,本調査として,研究課題は「サルコペニア合併のCOPD患者に対する通常の呼吸リハにNMESを併用した呼吸リハの効果の検証」,研究デザインは2群間並行ランダム化比較試験と設定し,研究対象者の登録を進めデータ収集を行った. 対照群は,通常の呼吸リハのみを12週間行い,介入群は,通常の呼吸リハにNMESを併用した呼吸リハを12週間行った.通常の呼吸リハは,呼吸練習,呼吸筋のリラクセーション,ADLトレーニング,筋力トレーニング,持久力トレーニング,在宅運動指導,栄養療法で構成される.一方, 介入群に対するNMESは,神経筋電気刺激療装置(G-TES1100,ホーマーイオン研究所)を用いて実施した.刺激強度は患者が耐えうる最大強度,刺激時間は20分間,周波数は20Hz(5秒on2秒offのduty cycle)とした.主要評価項目は骨格筋量,膝伸展筋力,副次評価項目は運動耐容能,身体活動量,健康関連QOLとし,12週間の呼吸リハ前後で評価した.令和5年度は,5症例が通常の呼吸リハにNMESを併用した呼吸リハを完遂し,6症例が通常の呼吸リハを完遂した.
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