COVID-19の影響で予定していた縦断的研究の実施が難しかったため、研究計画を変更して横断的評価を実施した。地域在住高齢者35名を対象に数字抹消課題と花道課題を施行し、従来の神経心理学的検査との相関を評価した。その結果、数字抹消課題においてオブジェクトを120°の範囲で展開させた場合に、課題完遂の所要時間はTMT-Aの所要時間と有意な相関が見られた。全身麻酔後の高齢入院患者に対する報告者の先行研究では、数字抹消課題の所要時間はTMT-Bの所要時間と相関していた。これらより、同じ数字抹消課題でも、入院や手術といった認知機能へ負荷がかかることによって要求される認知機能が異なることが示唆された。
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