研究課題
若手研究
ヒトに対する研究においてACLR再建患者で痛みは軽度線維症群に対し重度線維症群で有意に大きかった。同時にPhysical activity scoreも軽度線維症群に対し重度線維症群で有意に低かった。3日または4日後の滑液で重度線維症群で炎症サイトカインであるIL1β、IL6,IFNガンマーの増加を認めた。重度のIFP線維化がACLR後3ヶ月の臨床転帰を悪化させ、滑液中の炎症性サイトカインが上昇する事を見出した。ラットでは理学療法を再現する、膝蓋下脂肪体痛モデルとハイドロリリースを再現した。
整形外科学分野
現在、理学療法には術後遺残疼痛を克服できていないという課題がある。そこで、本研究では術後遺残疼痛に炎症サイトカイン上昇と線維化が関与するという、疼痛発生の機序の一端を解明し、またラットでの多角的定量評価をを確立した。本研究成果は高齢化社会を迎え、手術件数が増加している日本において術後遺残疼痛を改善することにより、健康寿命を延伸するための研究の礎と考えられる。そのことは学術的、社会的意義があると言える。