変形性膝関節症(膝OA)は、高齢期の代表的な運動器疾患であり、生活機能を著しく制限する。膝OAによる関節変形は不可逆的であり、早期発見・予防介入が重要である。近年、膝OAの機能障害には筋萎縮ではなく、骨格筋の質的低下、すなわち筋内脂肪増加が関連することが示唆されていた。そこで、本研究では、筋内脂肪に着目し、早期膝OAの検出や機能障害との関連を調査した。その結果、早期膝OAでは、内側広筋の筋内脂肪率増加が顕著であり、その増加は機能障害と関連することを明らかにした。また、内側広筋の筋内脂肪率の増加は軟骨の質的低下にも関与するため、早期膝OA検出のイメージングバイオマーカーとなることが示唆された。
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