研究課題/領域番号 |
20K19382
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研究機関 | 千葉県立保健医療大学 |
研究代表者 |
江戸 優裕 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (20743694)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 足部 / 運動連鎖 / 歩行 |
研究実績の概要 |
本研究は足部運動と歩行時の下肢関節運動との関連を分析することにより、足部運動が歩行にどのように影響するかを明らかにするものである。その上で、臨床現場で実用可能な歩行コントロールのための足部評価法と介入法を見出す。これにより、本研究は下肢関節疾患の病態運動の改善や健常者の障害予防のための足部介入への基盤となるとともに、経験則に基づいて行われている足底板等の介入に対してエビデンスを提供するものである。 当該年度では、健常若年者を対象に三次元動作解析装置と床反力計を用いて歩行を計測し、歩行時の後足部・前足部の内/外がえしと下肢関節運動の関係を検討する計画であった。これについては、新型コロナウイルスの流行により計測の開始が遅れていたが、徐々に開始でき、それ加えてパイロット的に収集していたデータを解析して学会および論文発表も行った。 成果の概要としては、健常若年者の歩行において、立脚初期の膝関節の側方制御には後足部内/外がえしと下腿回旋の運動連鎖が関与することが明らかになった。具体的には、後足部内/外がえしが優位な運動連鎖であることや、歩行時の後足部の外がえしが大きいほど、膝関節は外反位となることが分かった。また、内側型変形性膝関節症者に対するラテラルウェッジインソールによって歩行時の膝関節側方動揺(ラテラルスラスト)を抑制する効果にも、明確な関係ではないものの後足部内/外がえしと下腿回旋の運動連鎖が関与する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの流行により実験機関の倫理審査が遅れたことと、複数波の感染拡大により予定通りの実験遂行に至らなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きデータ収集を遂行するとともに、解析して学会および論文発表を行う計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に予定していたデータ収集・分析等が十分に遂行できなかったため、当該年度の使用計画を次年度に持ち越す。
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