研究課題/領域番号 |
20K19384
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
積山 和加子 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 講師 (20613011)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 腎臓リハビリテーション / 神経筋電気刺激 / 血液透析 / 慢性腎臓病 / 物理療法 |
研究実績の概要 |
本邦における透析患者の平均年齢は2019年末で69歳(日本透析医学会)と高齢化が進んでおり,透析患者の運動機能は同年代の健常者と比べ5割程度まで低下している。 本研究では,透析中に下腿筋に対して神経筋電気刺激療法(Neuromuscular electrical stimulation:NMES)を行い,その効果を運動機能や透析効率等の面から検証する。 2020年度については透析中のNMESが循環動態や透析効率に与える影響について検討を行った。対象は外来維持透析患者で独歩または歩行補助具を使用して10m歩行が可能な者とした。対象者には本研究の目的を説明して書面にて同意を得た。透析中に下腿筋にNMESを行うNMES条件とNMESを行わず通常の透析を行うコントロール条件とした。NMESは透析開始から1時間以上経過し,循環動態が安定していることを確認してから実施した。NMESはの刺激強度は各対象者の耐えうる最大強度として20分間実施した。 透析中の循環動態の指標は血圧と脈拍数とし,NMES前後を比較した。コントロール条件では同じ時間帯の血圧と脈拍について1時間の経過を比較した。透析効率の指標は,尿素窒素(UN),クレアチニン(Cr),無機リン(iP)の除去率(%)を求めた。各指標について検討を行った結果,NMES条件,コントロール条件ともに循環動態指標(血圧・脈拍)は著明な低下や上昇を認めず,透析効率の指標についても差は認めなかった。これらの結果から,透析治療中の下腿筋へのNMESは循環動態が大きく変動するほどの影響を認めず,安全に実施できることが示された。透析効率についてはNMESの実施時間を延長して今後も検討を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実施機関における倫理委員会への倫理申請と承認,対象者の選定等は順調に進んでいたが,新型コロナウイルス感染拡大の影響で使用機器の納入延期や感染拡大防止のために対象者への介入開始が遅れる結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの感染拡大防止対策を行った上で引き続き対象者を募り,透析中の下腿筋へのNMESトレーニングが運動機能や透析効率に与える影響について検討を行いたい。ただし,対象者の安全性確保が最優先であるため,新型コロナウイルス感染状況によっては感染リスクの高い対象者への介入の一時中止も検討する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は新型コロナウイルス感染拡大防止の影響で対象者への介入時期の遅れや情報収集のための関連学会への参加が出来ないなどの事案が生じた。 2021年度も引き続き感染予防に努めながら研究を進めていく予定である。
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