研究課題/領域番号 |
20K19385
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研究機関 | 東北福祉大学 |
研究代表者 |
佐藤 洋介 東北福祉大学, 健康科学部, 助教 (20704381)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 上腕骨外側上顆炎 / 経頭蓋磁気刺激 / 運動誘発電位 |
研究実績の概要 |
2021年度はコロナの感染状況が落ち着いた時期に実験計測を推し進め、予定していた対象数には達しなかったが概ね順調に実験計測を行うことができた。健常成人群の計測は予定数を終了し、患者群の計測を残すのみとなっている。また計測と同時進行で解析を進めた結果、上腕骨外側上顆周囲に疼痛を有する群では障害側を支配する一次運動野の抑制メカニズムに変化が生じていることを示唆する結果が得られた。具体的には、経頭蓋磁器刺激装置を用いて半球間抑制の指標であるipsilateral silent Period ( iSP )を計測したところ、上腕骨外側上顆周囲に疼痛を有する群は健常成人群と比較してiSPが優位に増加しており、障害側を支配する一次運動野の興奮性が抑制されていることが示された。健常成人群と患者群において年齢や握力などiSPに影響する要因では統計的な有意差は認められなかったため、患者群におけるiSPの変化は疼痛症状の慢性化に強く関係していると考えられる。すなわち上腕骨外側上顆炎の慢性化や再発を予防する上で、筋や関節などの運動器だけでなく脳を含めた神経メカニズムへの介入が必要であることを示唆しており、ニューロモデュレーションの整形外科疾患への応用可能性を示すものである。 この結果についてリハビリテーション医学学術集会で発表する予定であり、今後、統計的に問題のない対象数まで実験計測を進め、本年度中に論文として投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来であれば、2021年度中に実験計測を終える予定であったが、2020年度からコロナの影響で実験計測が満足に行えず、進捗が大幅に遅れてしまった。しかしながら、2021年度は実験計測を積極的に行えたため、予定している対象数の7割まで計測することができた。
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今後の研究の推進方策 |
このまま実験計測を積極的に行い、2022年6月を目途に実験計測を終える予定である。その後、2022年度中に論文として成果発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、進捗が遅れ論文投稿および校正費用が次年度に持ち越しとなったことに加え、学会参加が制限されたために次年度使用額が生じた。
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