脳卒中後の病的な痛みの出現や維持には後部島皮質の活動亢進が関与することが明らかになっていた.本研究課題は,表層の脳領域への非侵襲的な電気刺激によって島皮質の活動制御を試みるものであった.健常人を対象とした安静時神経ネットワーク解析によって,後部島皮質は小脳や前頭前野領域と機能結合があることが明らかになった.さらに小脳と前頭前野領域への経頭蓋交流電気刺激によって,物理的に離れた後部島皮質においても脳活動が変化しうることを見出した.この成果は島皮質の活動のリモート制御を示唆するものであるが,これら効果の個人差は非常に大きいことも明らかになった.
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