研究課題/領域番号 |
20K19391
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研究機関 | 中部学院大学 |
研究代表者 |
笠野 由布子 中部学院大学, 看護リハビリテーション学部, 准教授 (00512823)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 妊産婦 / 腰痛 / 骨盤痛 / 骨盤形態 / 胸腰椎アライメント / 柔軟性 |
研究実績の概要 |
妊産婦が経験する腰部および骨盤帯周囲の疼痛は、妊娠に伴う体形・姿勢の変化や産後の活動や育児中の姿勢による身体的負担などの関与が指摘されており、その予防や改善には運動療法や骨盤ベルトなどの着用が有効であるとされている。しかし、その治療方法に関しては、その原因に応じた系統的な治療法が確立されているとは言い難い。また、このような症状を有する妊産婦は多く、QOL低下に大きな影響を及ぼしているものの、適切な治療に結びついている患者は少ない。 本研究の目的は、産前および産後1年程度の妊産婦を対象に、腰痛・骨盤痛の部位や程度を調査および経時的な胸腰椎アライメントおよび柔軟性、骨盤形態の計測を行い、腰痛・骨盤痛の発生部位が骨盤形態や胸腰椎アライメントおよび柔軟性の変化と関連するかを明らかにすることである。また、関連する場合は、その痛みの部位によって骨盤形態や胸腰椎アライメントがどのような特徴をもつかを明らかにすることである。これらの研究の結果は、産前産後の腰痛・骨盤痛に対する新たな予防法や治療法を提案しうる。 令和2年度から令和4年度にわたり、新型コロナウィルス感染症の感染拡大に伴い、調査対象となる助産院、産婦人科医院への定期訪問ができず、継続した身体計測の実施が困難となった。そのため、初年度に購入した計測器(脊柱計測器)を用いた予備的な計測デモンストレーションとして、単発でのイベントにおける産前産後の対象者への胸腰椎アライメントの計測会を実施した。また、新型コロナウィルス感染症の5類移行後の研究の実施計画を見直し、再計画を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の影響により、調査の対象となる助産院、産婦人科医院への定期訪問が困難となり、縦断的な経過観察が計画できない状況にあったたため、再計画を余儀なくされている。また、同様の経緯から、研究以外の業務内容も煩雑となり、研究の実施に影響を与えた。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、5月より新型コロナウィルス感染症が5類へ移行したことにより、調査先への訪問が可能となるため、研究計画全体の見直しを行い、対象者の抽出と定期測定を開始する。研究計画の遅れに対しては、調査先への訪問頻度を増加して、できる限り多くの対象者の経時的な観察を行うとともに、特定の時期の対象者(産後など)に対する横断的な調査も平行して実施し、特に胸腰椎の柔軟性と腰痛・骨盤痛との関係を確認していくこととする。 その他の具体的な方法については、当初の研究実施計画に基づき、骨盤形態および胸腰椎アライメントおよび柔軟性と痛みの変化を経時的に調査し、妊産婦における痛みの要因や特徴を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用が生じた理由は、前述の通り、新型コロナウィルス感染症の影響で調査対象施設での定期計測を行えなかったことにより、進捗の遅延が生じているためである。 このため、令和5年度は、当初計画の対象者の経時的観察のための、施設訪問費、協力施設及び被験者への謝礼、研究代表者および研究協力者の交通費、およびその他計測に必要な消耗品等の購入費に充てることとしたい。
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