研究課題/領域番号 |
20K19396
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研究機関 | 関西福祉科学大学 |
研究代表者 |
砂川 耕作 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 助教 (60824844)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 電子機器操作 / MCI / 視空間認知特性 / 注視分析 / 高齢者 |
研究実績の概要 |
研究協力機関の施設にて少人数であるがデータ取りを実施している。データ収集に関しては、全般的な認知機能と前頭葉機能の検査とともに、視空間機能として、Tapping span課題、TMT-A&B、Location task、Shape from moving-dots task、Counting task(標準高次視知覚検査:VPTAから抜粋)、Visual search task、状況画の説明(標準高次視知覚検査:VPTAから抜粋)を実施している。さらに、電子機器の課題としては、スマートフォンなどよく扱っている機器を用いて、検索操作やメッセージの送信を行ってもらうとともに、電子機器に関するアンケート調査を実施している。なお、視空間機能と電子機器の課題については、注視分析のためにアイカメラを装着して実施している。 現在までのデータ収集の傾向として、視空間機能の課題、特にVisual search taskや状況画の説明といった視覚情報量が多い課題で成績不良が生じる対象者においては、アンケート調査にて電子機器の使いづらさが生じていた。電子レンジや洗濯機といった家電製品の使用よりは、多機能であるスマートフォンといった機器が特に使いこなせていないとのことであった。さらに、これらの対象者においては、視空間機能の課題や電子機器操作で非効率的な注視が生じることがしばしば確認された。今後、対象者数を増やしていき、高齢者・MCI者の傾向を更にみていく予定である。 現在までの傾向から、視覚情報量が多い課題に関しては、全体の位置関係を把握するといった視空間処理が必要であり、その機能が低下すれば電子機器が使いづらくなるとの仮説が立てられる。MCIを呈した場合、これらの視空間認知特性に着目した介入モデルを開発することは、更なる増加が予測される高齢者やMCI者の生活環境の改善に寄与するものと期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19の感染拡大の影響により、移動制限や研究協力機関である施設への出入りの制限が生じている。そのため、当初予定していたデータ取りが出来ていない。そのため現在は研修先である「医療法人財団 樹徳会 上ヶ原病院」にて少人数からデータ取りを進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後、研究協力機関である施設にてデータ取りを行うとともに、COVID-19の状況が落ち着けば、地域高齢者が集まる交流会や集合住宅への呼び掛けを行い、対象者のリクルートを増やしていく予定である。研修先である「医療法人財団 樹徳会 上ヶ原病院」は地域交流として公民館での講義活動を行っており、これらの活動に参加しながら、地域高齢者から情報収集を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の感染拡大の影響により、研究協力機関へのデータ取りが行えず、旅費や人件費・謝金の使用がなかった。また、電子機器操作の課題をタブレット上で施行するためにアプリケーションを開発する予定であったが、研究対象者の傾向をみてからの作成予定であり、データ取りが順調に進まなかったために開発まで至らなかった。 次年度では、アプリケーションの開発を進めていきながら課題を施行するためにタブレット機器等の購入を進めていく。次年度に計上していたたタブレット課題のプログラミングに関しては、第2研究にて作成する予定であり、第1研究が終了次第に検討していく。 旅費や人件費・謝金に関しては、COVID-19の感染拡大の影響が落ち着き次第、研究協力機関へのデータ取りを開始していく。また、学会にて発表を行うことにより、本研究に関する意見を求めていく。
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