研究課題/領域番号 |
20K19401
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研究機関 | 令和健康科学大学 |
研究代表者 |
玉利 誠 令和健康科学大学, リハビリテーション学部, 教授 (80786145)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 半側空間無視 / 能動的注意 / 受動的注意 / structural connectivity / functional connectivity |
研究実績の概要 |
本研究では、半側空間無視の病態基盤と考えられている2つの注意機能(能動的注意と受動的注意)の協調性を評価し得る評価課題の開発を目指すとともに、脳の構造的および機能的ネットワークとの関係について検討することを目的とする。 昨年度までに、ヘッドマウントディスプレイを使用して能動的および受動的注意の協調性の評価を可能とするアプリケーションを開発し、健常若年成人・高齢者・脳卒中患者を対象としたプレテストを行い、開発課題(アプリケーション)の実施に操作的な問題がないことと、各種定量値のおよその正常範囲について検討してきた。 今年度は、健常若年者30名・高齢者30名を対象に計測を行い、能動的注意(滑動性眼球運動)中の視線位置が受動的注意(衝動性眼球運動)に及ぼす影響について検討した。その結果、健常若年者群では衝動性眼球運動前の視線位置を問わず、周辺視野全領域への衝動性眼球運動に有意差は認められなかった。健常高齢者群では、視線位置が中心視野の下領域にある場合には垂直方向への衝動性眼球運動が有意に遅延し、視線位置が中心視野の上領域にある場合には水平方向への衝動性眼球運動が有意に遅延した。さらに、半側空間無視を呈する脳卒中患者4例の計測を行った結果、患者群では視線位置を問わず、左側空間に向けた水平方向および垂直方向の衝動性眼球運動の遅延が認められた。 今後、患者例の計測を継続し、患者例の特徴について統計学的検討を行うとともに、脳MRI画像解析により、脳の構造的および機能的ネットワークとの関連について検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の影響により、患者を対象としたデータ収集が不可能な期間が続いため、患者データの収集と解析が遅れている。昨年度より患者データの収集が段階的に可能となってきているが、研究対象となる患者は入院患者の一部であるため、データの収集に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
開発課題(アプリケーション)の実施や操作性に問題はなく、健常若年者および高齢者のデータは収集・解析を終えているため、引き続き、患者データの収集を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の影響により、患者データの収集が困難な時期が続き、昨年度より段階的にデータ収集が可能となったものの、現時点で十分なデータ数に至っておらず、最終的な研究発表(学会発表・論文発表)に至っていないた、次年度使用額は研究成果の発表のために使用する予定である。
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