頭部外傷後などに、視覚・聴覚・触覚や侵襲刺激に対して持続的かつ再現可能性のある意図的/自発的な行動応答が3長期的にみられない状態は遷延性意識障害(PVS)として定義される。一定数がPVSから何らかの意思表示や刺激への応答が確認できる最小意識状態(MCS)に回復するが、双方の明確な判断は困難を極める。本研究では、PVS症例の潜在的残存機能の適切に把握するため、ヘッドマウントディスプレイ内蔵型視線計測装置による視線計測および脳波の活用を試みた。これらを用いた評価では、通時的分析により脳波活動の変化と視線探索量の増大を観察された。本研究成果は、将来的にこれらの評価精度を向上させる可能性がある。
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