研究実績の概要 |
令和5年度はすでにデータの解析および考察と,研究成果についての公表を推進した.本研究に関連して第60回日本リハビリテーション医学会学術集会にて筆頭演者にて学会発表(真野 浩志.小児専門病院におけるがんリハビリテーション診療)を行った.さらには,小児総合医療施設・小児がん拠点病院におけるがんリハビリテーション診療の取り組みに関する論文を,筆頭著者にて日本小児科学会雑誌に投稿し,2023年3月13日付で受理されていたものが,2023年6月に出版に至っている(真野 浩志, 鈴木 暁, 藤川 紀子, 山本 広絵, 小出 郁也, 立花 真由美, 成滝 叶, 須藤 千春, 鈴木 藍, 横尾 友梨子, 羽切 和加子, 稲員 惠美, 北村 憲一, 渡邉 健一郎. 小児総合医療施設・小児がん拠点病院におけるがんリハビリテーション診療の取り組み. 日本小児科学会雑誌. 2023; 127: 813-822.)小児がんリハビリテーションの安全性,有用性に関して,研究期間全体を通じて実施した研究の成果について発信を行うことができたと考える. リハビリテーション診療は,個々の児の状態や環境設定に配慮を行えば,充分安全に実施が可能であると考えられ,入院中における生活の質向上のほか,退院後の社会生活や活動・参加の拡大への支援においてさらなる役割を果たせる可能性がある.今後の小児がん患者のリハビリテーション診療の展望として,小児におけるさらなる科学的根拠の蓄積と,診療体制の整備が課題である.
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