研究課題/領域番号 |
20K19410
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
酒井 康成 信州大学, 医学部附属病院, 理学療法士 (70720085)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 敗血症患者 / 早期リハビリテーション / 専従理学療法士 / Prospective Cohort Study |
研究実績の概要 |
救急・中治療領域において早期リハビリテーションは,運動機能向上や在院日数短縮などに効果的であるとされ、本邦においても救急・集中治療室に専従理学療法士を配置し早期リハビリテーションを実施する施設が増加傾向である。一方、救急・集中治療室へ入室した敗血症患者を対象とした専従理学療法士配置による早期リハビリテーションの介入効果を検討した報告はない。本研究の主目的は2点あり,敗血症患者に対する救急・ICU専従理学療法士配置による早期リハビリテーション(リハビリテーション介入までの日数短縮)の効果を示すこと(研究1)、多施設共同研究を行い,より質の高いエビデンスと認知度を得ること(研究2)である。また、本研究はUMIN-CTR(試験ID UMIN000040754)に登録された多施設Prospective Cohort Studyである。 2020-2021年度では専従理学療法士配置による早期リハビリテーションの効果を単施設で検証(研究1)することを目的としデータ収集を行なっている最中である。2020年度の取り込み症例数は50例であった。主な調査項目は年齢、性別、肥満度(body mass index)、合併症の有無(disseminated intravascular coagulation score)、 病名、重症度(sequential organ failure assessment, systemic inflammatory response syndrome score)、血液データ、治療薬剤の種類、運動機能などであり、Primary outcomeを人工呼吸器離脱率、入院期間、退院先、費用対効果、退院時運動機能などと予定している。今後これらを専従理学療法士配置開始前後に分け多変量解析を含め比較検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID19のパンデミックにより入院制限などの影響で,当初予定していた目標症例数を下回っているため. 必要症例数を満たしていないものの,単施設(信州大学医学部附属病院)での研究(研究1)は,順調に進行しデータ収集を行えている.その一部は英語論文化しacceptされている.
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今後の研究の推進方策 |
単施設のデータ(研究1)をメインアウトカムの一つであるADLの観点からまとめ,論文化する. COVID19のパンデミックは今後もおさまらない可能性があるため,予定よりもいち早く多施設共同研究への移行を進めることで症例数を増やす方策をとる.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画で見込んだ使用額よりも安価に研究が進んだため,次年度使用額が生じた. 次年度使用額は,消耗品および研究成果発表に関わる諸経費(学会発表費用および論文校正費用,論文投稿費用)に当てる予定である.また,多施設共同研究をいち早く計画・遂行するために必要となる経費となる可能性がある.
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