わが国の高齢化に伴い、変形性股関節症患者は増加の一途をたどっている。その数は、日本整形外科学会の統計によると510万人と推計され、THAを受ける患者数はこの10年で約1.7倍に増加したとされる。変形性股関節症は関節組織の破壊に伴った激しい痛みを主症状として、歩行能力の低下から社会参加の制約をきたす。そして、THA後にも回復が遅延する者がいるため、身体機能を回復させるための効果的な理学療法プログラムの構築が必要であった。本研究により、これまでに明らかになっていなかった術前の身体機能としてどこに対して介入を行い、そしてどの程度まで機能を回復させる必要があるのかのエビデンスが得られた。
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